ブックキュレーターhonto編集員
戦中戦後の庶民の暮らしから、何気ない毎日が大切に思えてくる本
1941年から1945年の約3年8ヵ月間、日本がアメリカをはじめとする連合国と戦争を行った太平洋戦争。この戦争を生き抜いた庶民の目から語られた、戦時下の暮らしを記した本があります。戦争が破壊した日常を目の当たりにした人々の体験から、何気ない毎日がいかにかけがえのないものかをヒシヒシと感じられる、読み継がれるべき本を紹介します。
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「暮しの手帖」とわたし ポケット版
大橋 鎭子(著)
連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のモチーフ本で、雑誌「暮しの手帖」の創刊者・大橋鎭子の自伝です。空襲時の防空壕で思い描いた「女の人をしあわせにする雑誌」は、戦後の女性たちの暮らしに革命を起こし希望の灯火となりました。「しずこさん」と慕われた著者のつねに前向きな姿勢と衣食住への強い想いに、今読んでも共感できるはずです。
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ジブリアニメの原作にもなった「火垂るの墓」と、戦後日本人のアメリカへの複雑な気持ちを代弁した「アメリカひじき」などを収録した、「焼跡闇市派」と呼ばれた野坂昭如の短編集です。神戸大空襲や疎開先の貧困で家族を失いながらも、戦後の衣食住もままならないなかをたくましく生き抜いた著者の過酷な体験がうかがい知ることができます。
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連続テレビ小説『ごちそうさん』のノベライズ本です。食べることが大好きな主人公・め以子が、戦争中の物資が乏しい間にも工夫を凝らして家族の暮らしを守っていく姿が描かれています。大阪大空襲で家が全焼、疎開先で苦労しつつも戦後闇市で飲食の商売を始めるめ以子のたくましさに、当時の庶民の強さを感じて前向きな気分になれるでしょう。
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戦争中の暮しの記録 保存版
暮しの手帖編集部(編)
雑誌「暮しの手帖」が戦争中の暮らしの様子を読者から募集し、その投稿をまとめた特別号を単行本化したものです。戦時中の普通の人々の衣食住の記録であり、その暮らしと生きざまを知ることができる貴重な文献になっています。当時の日本人が何とどう闘っていたかが実感としてわかる、長く読み継がれていくべき本といえるでしょう。
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