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まるでタイムスリップ!江戸の空気を知る、浸れる。杉浦日向子が描く世界
江戸風俗研究家であり江戸時代をテーマにした著作のある杉浦日向子は、江戸時代を舞台にした漫画も遺しています。研究家ならではの知識に裏打ちされた細やかで豊かな書き込みがされた物語は、読むうちに江戸時代の空気が肌に直接迫ってくるようです。当時の風俗や雰囲気をよく伝えるコミックを紹介します。
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百日紅 上
杉浦 日向子(著)
文化・文政期の江戸を舞台に、葛飾北斎と娘のお栄、居候の英泉や人気絵師国直などを中心に、生活風景や奇譚、恋などを描いた短編集です。武家屋敷前に置かれた生首をめぐる「番町の生首」、絵師たちの夏のひとこま「豊国と北斎」、お栄が描いた地獄絵が招いた怪異「鬼」など、江戸の生活や風俗が味わい深く描かれています。
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百物語
杉浦 日向子(著)
江戸時代を舞台にした、ごく短い九十九の怪談奇譚漫画集です。己の後ろ姿を見た男の話、少女の顔をした鶏が弔いを頼む話、絵の女と共に老いる男の話、成仏しきれず化け物となった女の話などが、シンプルなタッチで描かれています。夜がまだ真っ暗で、幽霊や化け物などが現在よりも身近だった当時の雰囲気が色濃く表現されています。
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東のエデン
杉浦 日向子(著)
明治初期、新しい文明にさらされながら江戸の名残を濃く残す時代を描く短編集です。西洋画を志す車夫の1日を描いた「ぶどうのかおり」、廃仏令により壊されそうになったお地蔵さんを救う「ころび地蔵」、貧乏書生たちの金策をめぐる話「金時計」など、移り変わり行く江戸時代の最後の風景が生き生きと写し出されています。
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二つ枕
杉浦 日向子(著)
江戸の吉原の世界を濃密に描いた短編集です。人を殺してきたと語る男と花魁の一夜「萩里」、勘当されてきた男を見つめる花魁の眼差し「麻衣」など、浮世絵調の独特の絵柄で書かれた「二つ枕」のシリーズのほか、女と男の駆け引きの一幕「聖夜」など。遊郭を舞台にした、粋でどこか切ない物語が収録されています。
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ニッポニア・ニッポン
杉浦 日向子(著)
江戸期および明治初期を舞台にした短編集です。心中をくわだてた女郎を助ける粋な話「馬の耳に念仏」、名手の三味線の音に合わせてどこからか響く太鼓の音色をめぐる、夜の描写が美しい「月夜の宴」、江戸期の湯治場の風景をユーモラスに写した「湯治場にて」など。人情や人の心をテーマに描かれた余韻のある一冊です。
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