ブックキュレーターhonto編集員
長くやりとりが続く手紙に、深い愛と信頼を感じる本
手紙といえば時候の挨拶やお礼状にとどまり、長い手紙のやり取りは、ほとんど見聞きしなくなりました。こんな時代だからこそ、長く続いた手紙文を読んでみるのはいかがでしょうか。思いのたけをつづった手紙のやり取りを長期間に渡り続けられた理由は、互いへの愛と信頼があったから。それが伝わってくる本を紹介します。
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ゴッホの手紙 中 テオドル宛
ゴッホ(著) , 硲 伊之助(訳) , J.v.ゴッホ‐ボンゲル(編)
パリからアルルに居を移したゴッホは、弟のテオに宛てて毎日のように手紙を書きます。美術への熱い思いを語り、パリの友人たちの消息をたずね、送金を頼みます。世に理解されず、苦しい生活のなかでも情熱的に画布に向かう兄。その兄の才能を信じ、励まし、画材やお金を送り続ける弟。美術で結ばれた強い兄弟愛に感動します。
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手紙
ミハイル・シーシキン(著) , 奈倉 有里(訳)
戦争に行った男と、残された女の間で手紙が交わされます。それぞれの幼少期の思い出からはじまり、戦場の悲惨な様子、実生活の小さな出来事が、愛の言葉とともに綴られ、時は経ていきます。愛する人がいるという確信が手紙を書かせ、手紙を書き続けることで生きられた2人。人生への極上のラブレターに魅せられる小説です
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孤児院で育ったジュディを大学に進学させてくれる人が現れます。条件は一つ、毎月手紙を書くこと。顔も名前も知らない相手に手紙を書く不満も隠さず、学校生活のこと、将来への希望や不安を正直に、ユーモアたっぷりに書き続けます。卒業してやっと会えたその人は・・・。成長につれ、義務から信頼へと変化した手紙文です。
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チャリング・クロス街84番地 増補版
ヘレーン・ハンフ(著)
ニューヨークに住む女性作家が、ロンドンのある古書店に注文の手紙を出したことから物語がはじまります。注文を引き受けた担当者が亡くなる20年後まで、手紙は交わされ続けます。古書への熱烈な愛を綴る作家と、深い専門知識を駆使して応える書店員。その応酬には、ネットでは味わい得ない、本好きの醍醐味が感じられます。
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婚約者がいると知りながら、理想の女性 ロッテを愛さずにはいられない、主人公のウェルテル。最初こそ幸福に過ごしますが、ロッテの結婚式が近づき、結局死を選んでしまいます。ウェルテルの克明な感情の吐露は、同じ若者である親友への手紙だからこそ率直に、しかし少し甘えて綴られたのかもしれません。
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