ブックキュレーターhonto編集員
時代に翻弄された様子が描かれた、激動の近代中国の状況がよくわかる本
日清戦争、文化大革命、天安門事件と、約100年程度の間に中国は多くの時代の大きなうねりを体験してきました。激動の時代においても、人々は混乱のなか翻弄されながらも、生き抜いてきました。その人間の強さがわかる小説など、当時の中国の状況を知ることができる本を紹介します。
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ワイルド・スワン 上
ユン・チアン(著) , 土屋 京子(訳)
アヘン戦争、日清戦争、文化大革命と続く中国の激動を生き抜いた親子孫3代にわたる女性の生きざまを描いたノンフィクションです。歴史上の事実であるとは知りながらも、文化大革命時代にとられた迫害に近いような強制労働は、あまりに不条理で狂気じみていたことをあらためて知ることができます。
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転生夢現 上
莫言(著) , 吉田 富夫(訳)
中華人民共和国の設立から文化大革命を経て現代に至るまでの様子を、農村に飼われているロバ、犬、豚、牛、サルの視点で描かれた小説です。上下巻800ページを超える大作。近代中国の歩んできた歴史が、いかに愚かで間違っていたか、痛烈な批判が感じられる物語です。
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毛沢東の私生活 上
李 志綏(著) , 新庄 哲夫(訳)
主治医だった筆者が実際に見た、赤い皇帝と呼ばれた毛沢東は、実に下劣で欲望に溺れた姿でした。中国では国民党を打ち破った英雄とされていた男の本性、そして権力闘争などを主治医が綴っています。作者は、本書が出版された3カ月後に自宅の浴室で遺体となって発見されたといういわくつきです。
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バルザックと小さな中国のお針子
ダイ シージエ(著) , 新島 進(訳)
文化大革命時代、主人公は知識分子とされ、下放政策と呼ばれる政策のもと農村部で強制労働を強いられました。農作業をしたことがない青年が畑を耕し、勉強や本を読むことも許されない毎日。そんな悲惨な時代でも、人々は楽しみを見つけ、夢を描き、恋をすることができる、人間の心の豊かさが感じられる小説です。
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