漫画家が紡ぐ漫画家のストーリー！その信念に胸が熱くなるコミック

絵のうまい男子高生の最高（サイコー）は、クラスの秀才・秋人（シュージン）に誘われ、作家と原作者としてコンビ漫画家を目指すことに。デビュー、新人ライバル出現、人気投票バトルなど、少年漫画誌を熟知する漫画家ならではの詳細な描写にあふれ、「必ず日本一の漫画家になる！」という信念に、読み手側も熱がこもります。

55歳の御堂アンは、デビュー20数年の現役少女漫画家。「いつまで走り続けられるのだろう」と漠然とした不安を抱えつつ、眉間にしわを寄せながらアシスタントとともに全力で漫画に打ち込む姿に脱帽！アンの独白で話が進みますが、1日の9割5分は漫画について考えていることがよくわかり、そのプロ根性に圧倒されます。

1980年代初め、漫画家を志す燃（もゆる）は芸大に通いながら将来への熱い思いをたぎらせます。原稿をなかなか描き進められなくても、前のめりな意気込みが伝わってくるほど、その姿は真剣そのもの。作中には実在する作家や漫画作品が登場し、フィクションであるとはされていますが、体験談も入っていると想像されます。

Jはあらゆるペンタッチが可能なスーパーアシスタント。火事で原稿が燃えた連載作品を1日で蘇らせる、締切直前の8作品を同時進行で仕上げるなど基本的に作家先生がいないなかで神がかった仕事をします。どんな修羅場でも「魂のこもった作品のクオリティは下げない」と命を懸けるJからは、仕事への熱い信念が伝わります。

国民的少年漫画『ミリオンジョー』の担当編集者・呉井（くれい）は、作者の真加田（まがた）が部屋で急死しているのを発見します。続きを待つ読者のため作者の死を隠蔽し、自ら描き続ける決心をした呉井。どんなことをしても漫画を読者に届けるというゆるぎない信念を持って、さまざまなピンチに立ち向かっていきます。