身内に対する男の情は静かで深い・・・兄弟の絆に感動するコミック

画家・ゴッホと、その弟・テオの物語。画商であるテオは、兄の才能を世に知らしめたいと手をつくします。浮浪者のような生活をしながら絵を描くことだけに人生を捧げる兄は、天才的な画商である弟を「すごいなあ」と仰ぎ、弟はそんな兄にあきれながらも尊敬しています。お互いを誰よりも敬愛する兄弟の生き方に感動します。

幼い頃、宇宙飛行士になると約束した兄弟。夢を叶えた弟・日々人（ひびと）を追い、兄・六太（むった）も宇宙を目指します。遠く離れていても、幼い頃の夢を思い出せるよう要所要所で兄をサポートする日々人と、弟の想いに応えようとする六太。交わす言葉が少ないからなおさら、互いを想い合う気持ちが伝わってきます。

やくざが闊歩し、薬物中毒が蔓延する貧民街で暮らす十代の一太と、小学生の二太の物語。二太は明るい性格で天真爛漫に一太を慕い、一太は少年らしいいらだちを抱えながらも「食わせなならん奴がおる」と二太のために犯罪行為をくり返します。お風呂に入る、日銭を稼ぐなど兄弟が一緒にいるときの描写が、唯一心を和ませてくれます。

鋼でできた義手と義足をもつ兄・エドワードと、身体を失い魂だけの存在となった弟・アルフォンスが、元の身体に戻るため「賢者の石」を探して危険な旅を続ける物語です。自分を犠牲にして相手を助けようとするなど、守るものがあるからこそ2人は強く、ピンチのたび絆は強まります。常にお互いを守る兄弟の姿が胸に迫るコミックです。

双子の達也と和也、幼なじみの南。三人三様の想いと、高校野球の青春を描いたベストセラーです。質実剛健・文武両道な和也に比べて怠け者の達也。しかし「達也はやれば何でもうまい」と知る和也は達也に一目置いています。読み進めれば達也がのらくらと生きる理由がわかり、言葉に出せない弟への想いにウルっときてしまいます。