ブックキュレーター哲学読書室
ゾンビを/で哲学してみる!?
映画、マンガ、ハロウィン、テーマパーク・・・。近頃、様々な場面で見かけることが増えた「ゾンビ」。一体何者なのでしょう?どうして流行しているのでしょう?ゾンビを考えると何か面白いことがあるのでしょうか?皆さまを、実はわりと奥が深い、ゾンビ哲学の世界にご招待します。【選者:岡本健(おかもと・たけし:1983-:奈良県立大学准教授)】
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ゾンビ学
岡本 健(著)
本書では、400以上のコンテンツを横断しながら「ゾンビとは何か」を考えました。ゾンビの先行研究を整理し、分析の方法を考え、ゾンビの歴史を追い、様々な作品を考察し・・・。そうして見えてきたのは、ゾンビは他者の比喩であり、自分を投影する鏡でもあるということ。ゾンビは現代社会を生きていく際の教科書的存在なのです。
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新世紀ゾンビ論 ゾンビとは、あなたであり、わたしである
藤田 直哉(著)
昔のゾンビは生ける屍でした。意識がないのにのろのろと人間に襲い掛かり「がぶり」と噛みつく、そんな存在です。ところが、21世紀を迎え、なんとゾンビたちは走り出しました!本書では、走るゾンビや美少女ゾンビなどの新世紀ゾンビを「政治・社会」「科学・技術」「身体・生死」の3つの観点から鋭く分析しています。
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ゾンビが現実に現れたら、あなたはどうしますか?そんな飲み屋でのネタ話のようなことを本気で考えているのが本書です。しかも、よりスケールアップして国際政治学で語ろうというのですから驚きです。ちなみに、本書によると、ゾンビの速度は遅くても速くても感染はグローバル化して、各国に対応を迫る現象になるとのこと。
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意識する心 脳と精神の根本理論を求めて
デイヴィッド・J.チャーマーズ(著) , 林 一(訳)
ゾンビは意識がない存在でした。意識は哲学でも重要な問題として扱われています。本書によると、意識について考える際は、次のような存在を考えてみると良いそう。物理的に自分と同一でありながら、まるっきり意識体験を欠いている存在。その名も「哲学的ゾンビ」。本書では、この概念を用いた思考実験が繰り広げられます。
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〈推定3000歳の〉ゾンビの哲学に救われた僕〈底辺〉は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。
さくら 剛(著)
本書では、「哲学的ゾンビ」ならぬ哲学ゾンビ(約2500年前に死亡し、以来ゾンビになって死に続け、数多の哲学者との対話を重ねてきたゾンビ)が、死にたいけど死にたくない22歳の青年「ひろ」に哲学について授業を行う哲学入門書。死曰く、「人生は、スーパーマリオブラザーズ」なりと。哲学とゾンビ、こういうのもあるのか。
ブックキュレーター
哲学読書室知の更新へと向かう終わりなき対話のための、人文書編集者と若手研究者の連携による開放アカウント。コーディネーターは小林浩(月曜社取締役)が務めます。アイコンはエティエンヌ・ルイ・ブレ(1728-1799)による有名な「ニュートン記念堂」より。
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