ダークで耽美な世界が広がる。ロリータファッション好きのためのブックリスト

バンドのボーカル・カノンと天真爛漫な女子高生・かめの、そんなカップルの日常が描かれているコミックです。かめのはわかりやすいロリータ服を着ているわけではありませんが、垣間見えるダークさ、「変わりもの」と言われても周りの目を気にしないお似合いの2人は、今でもロリータ少女たちの憧れとして名前が挙がります。

ロリータファッションの見本市のような華麗な洋服がたくさん出てくるコミックです。人間が幸せに生きられるようプログラムされた汎用アンドロイド・DOLLと、人間たちのドラマがオムニバス形式で語られています。完全無欠の美しい人形をもってしても幸せになれない人間の姿が残酷に、だけど温かみをもって描かれています。

結婚式を挙げるために駆け落ちをしているクマの着ぐるみを着た少年とロリータ少女のカップルを、大人と戦争をしている「燃えるキリン」の集団が追いかけているところから物語が始まります。テンポのいいコミカルな掛け合いを挟みながら、大人への反逆や親からの逃避など、反骨精神の表れとしてのロリータ文化の世界観が描かれています。

19世紀のロンドンを舞台に、主人公の伯爵カインと彼の溺愛する妹、全幅の信頼を寄せる執事・リフが、数々の事件を解決していくコミックです。時代的に貴族が登場することが多く、品のあるクラシカルなロリータ服を数多く見ることができます。「マザー・グース」を下敷きにしたセリフ、童話になぞらえたストーリー展開も魅力的です。

甘いお菓子のようなふわふわとした服を着るロリータ少女を描くイラストレーター・今井キラの絵に、ロリータ文化についての造詣が深い大槻ケンヂの散文詩がつけた画集です。ここで描かれている決して笑顔ではない飄々とした少女たちの雰囲気は、世間によしとされなくとも好きな服を着るロリータ少女たちの強さを表しているようです。