ブックキュレーター松田哲夫(編集者・筑摩書房顧問)
「結婚小説ベスト5」というものを考えてみたのだが・・・
何年か前、ある小説誌が「結婚小説」の特集を組んだ。面白い企画だけど、こういう切り取り方だと無限に作品が出てきそうだとも思った。その頃読んだ『本日は大安なり』が面白かったので、これを入口に、奥田英朗『我が家の問題』、川上弘美『風花』、阿川佐和子『うからはらから』をあげた。今回は、あさのの秀作を締めに置くことにした。
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末ながく、お幸せに
あさのあつこ(著)
美しい花嫁、にこやかな花婿、幸せそうな列席者たち。でも、ひと皮めくれば、そこには生々しい傷跡が口を開けている。とりわけ、花嫁の抱えている傷は深い。だからこそ、この日を迎える喜びもひとしおなのだろう。結婚式という場を巧みに使って、生きることの意味を問いかける鮮やかな語り口。温かい涙がほろりとこぼれた。
ブックキュレーター
松田哲夫(編集者・筑摩書房顧問)編集者(筑摩書房顧問)。書評家。1947年東京生まれ。筑摩書房の書籍編集者として400冊以上の本を編集。『逃走論』、『ちくま文学の森』、『路上観察学入門』、『老人力』、『包帯クラブ』などのベストセラーを生み、「ちくま文庫」、「ちくまプリマー新書」を創刊する。TBS系テレビ「王様のブランチ」コメンテーターを12年半、NHK「ラジオ深夜便」書評コーナーを8年間担当し、1000冊以上の本を紹介してきた。著書に『編集狂時代』、『印刷に恋して』、『「本」に恋して』、『縁もたけなわ』など。個人編集の『中学生までに読んでおきたい日本文学』や、池内紀、川本三郎と共同編集の『日本文学 100年の名作』などのアンソロジーも好評。
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