ブックキュレーター作家 山内マリコ
さびれた商店街はいかにして活性化されるか?地方都市の未来を考える5冊
新刊『メガネと放蕩娘』では地方都市のさびれた商店街を舞台に、なんとか活性化させようと奮闘する、老舗書店の姉妹を描いています。衰退だの消滅だのと言われる地方の、商店街の、いったい何が問題なのか?ほりさげると、政治や都市論に行き着きました。参考文献として積み上げていた本から選りすぐりの4冊(+自著)をご紹介します。
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冒頭に引用される村上春樹のエッセイ(金もないけど就職もしたくない若者のための自営業という抜け道)にピンとくる人も多いのでは?抜け道だった個人商店が“横”に連なる「商店街」、その歴史をたどりながら近代の政治をバサバサ洗い出す。昭和のひととき、安定していたはずの社会の、何が問題だったか見えてくる。
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アメリカ大都市の死と生 新版
ジェイン・ジェイコブズ(著) , 山形 浩生(訳)
古くなり機能不全に陥った街の一発逆転手段、再開発。ごっそり用地買収され白い壁で囲われた一角を見るとなぜか拒否反応が出てしまう。では、どんな街がいい街なのか?アカデミズムとは無縁の、市井の人ジェイン・ジェイコブズが1961年に書いた本書は、今も都市論のバイブル。語り口は柔らかく、視点は鋭くも優しい。
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地方都市や商店街の衰退をペシミスティックに論じた本は数あれど、その問題点をマンガでポジティブに教えてくれるのは(多分)この本だけ。萌え絵の女子高生が部活感覚で地方の現状を学んでいく作りで大変わかりやすく、ぶっちゃけ一番参考になったかも。地元を愛していきたいんだ!という心意気が感じられる。
ブックキュレーター
作家 山内マリコ1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、2012年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に『アズミ・ハルコは行方不明』(2016年映画化)『さみしくなったら名前を呼んで』『パリ行ったことないの』『かわいい結婚』『東京23話』『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『あのこは貴族』『皿洗いするの、どっち? 目指せ!家庭内男女平等』など。最新刊は『メガネと放蕩娘』。「TV.Bros」や「JJ」、「Vikka」などで連載中。
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