ブックキュレーター文芸評論家 関根亨
私的なおすすめ、17年ミステリーの中から作風を広げて五作選びました
あなたご自身の17年ベストミステリーはいかがでしょうか。こちらはあくまでも私的なおすすめ、ミステリージャンルの中から作風を幅広く取って選んでみました。人間性奥深くに迫っている、本格謎解きに徹している、マーケティングという異ジャンルから参入、などです。16年11月から17年11月上旬まで刊行順に並べさせていただきました。
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経営難で崖っぷちホテル内で起こる事件。新入社員の千代子はどう解決するのでしょう。本作の読みどころは、新婚カップルや元サッカー選手など事件に関係あった客たちが、終結後に人間的成長を見せてくれるところです。またクリスマス向けに、熟年男性とその息子一家をめぐるヒューマンなドラマもプレゼントしてくれます。
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本作に登場する探偵は、事件が起きる前に犯人を推理し犯行を阻止してしまうと評判、従来の逆をいく探偵なのです。父の死で莫大な遺産を相続することになった女子高生・一華を、親族一同が亡き者にしようと狙ってきます。一華の使用人が能力を買ってその探偵を雇うそばから、次々と襲いくる巧妙なトリック。探偵は先回りできるのか?
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広島から神奈川の病院に研修医として来た碓氷は、脳腫瘍患者の女性・ユカリと心を通わせます。研修を終え広島に帰った碓氷のもとに突然、ユカリ死亡の報が届きました。さらに碓氷を待ち構えていた運命は――W・アイリッシュの<あの名作>を思わせる中盤で驚くばかりか、その後も二転三転。恋愛小説側面にも注目です。
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女子大生起業家の七海は、要人警護の業務を請け負います。美形チェリストを演奏会で警護中に狙撃事件が発生。狙撃手は、世界中の戦場で恐れられた人物。Webメディア編集長も独自に事件を追ううち、全員が国家的陰謀の渦に巻きこまれます。マーケティングとサスペンスの融合作、結末の仕掛けには、見事に騙されました。
ブックキュレーター
文芸評論家 関根亨1961年生まれ。法政大学社会学部卒後、実業之日本社へ入社。89年より文芸出版部勤務。在職中は、五木寛之、今野敏、有栖川有栖、近藤史恵、原田マハ、小路幸也、五十嵐貴久、東川篤哉各氏のベストセラー作品や映像化好評作を手がける。編集長、担当部長を経て2015年に独立。独立後は「自薦 THE どんでん返し」シリーズのアンソロジー編者兼解説をつとめるほか、文芸書編集や文庫解説にもたずさわる。天狼院書店が主宰する〈小説家養成ゼミ〉には顧問講師として、次世代の小説家を育成するプロジェクトに創設当初から参画。また本格ミステリ作家クラブ執行会議メンバーの一人として、本格推理小説全般の発展にも尽力している。
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