ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
家族の話、特に暗部の話。5選
よその家庭のことって外から見ているとほとんど分からないですよね。でも実はものすごい汚部屋だったり、DVやヒステリーがあったり、引きこもっている家族がいたり、大借金があったり、暗い問題を抱えていることもあります。世間には、「実際はどうでも、表面の見えるところが取り繕えていればいい」という価値観の人も少なくないので、他人には本当に分かりづらいんですよ。つい最近私も、仲のいい女友だちが実は家庭内で大変なヒステリーを起こすということを彼女の夫から聞き、仰天したばかりです。穏やかで明るくて聡明で、まったくそんな風に見えないんですけどねー。友人関係と違って、フェイドアウト出来ない家族の問題は重いです。でも、「大変なのはうちだけじゃない」と知ることで、もしかしたら少しだけ楽になるかもしれません。
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実際に起きたいくつかの介護殺人事件の詳細を追ったノンフィクション。ギリギリの状態で介護をしていた父母、配偶者を手にかけるに至る様子は、殺人とはいえ同情を禁じ得ません。どうしたらよかったのか、誰にも答えは出せないままです。ただ、同じ介護殺人でも微妙な状況の差で、執行猶予がついたりつかなかったりするのは納得できませんでした。
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苦しくなるタイトルです。お酒に飲まれてしまう人は少なくないですが(私も人のことは言えない部分も)、やはり程度の差はあります。このお父さんはまさに化け物。怖いし気持ち悪いし、人の親だけど嫌悪感でいっぱいになりました。なのに見放さないし嫌いになれないんですねえ、この作者は。読みながらお願いだからとっとと逃げてくれーと思いましたが、最後ちょっとハッピーエンドになっていてよかった。ハッピーって言われたらイヤかもだけど。
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朝日新聞社会部著、様々な事件の裁判の記録。一つの事件についての記述は短く簡潔ですが、分かりやすいです。家族の事件に限りませんが、いろんな事件があるので人によって引っかかるものが違うと思います。私にはやっぱり、母親がDSばかりやりたがる息子を窒息死させてしまう事件が印象的でした。
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同じ「母さんごめん」のタイトルですが、上記とはまったく別の本です。こちらは一人の男性の、自分の母を介護する日々の記録。真横で見て、実践している人の肉声です。細かなところに、はっとさせられます。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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