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エキセントリックな異端児。天才ピアニスト、グレン・グールドの魅力を知る本
足を組み歌いながら演奏する、人気絶頂の31歳の若さでコンサート活動を引退する・・・などなど、ピアニストとしてまぎれもない「天才」でありながら、そのエキセントリックな言動で、「変人」とも呼ばれたグレン・グールド(1932-1982)。クラシック界の異端児として、生涯挑発的な生き方を貫いた彼の魅力を伝える本を紹介します。
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グレン・グールドは語る
グレン・グールド(著) , ジョナサン・コット(著) , 宮澤 淳一(訳)
アメリカの人気ロック雑誌に掲載されたインタビューを収めた本です。「ピアノなんて30分で教えられる」にはじまり、モーツァルトやジャズ、ビートルズに対して容赦なく批判を浴びせる姿は、ロックミュージシャンよりも挑発的で反抗的。グールドがクラシック音楽の枠をこえ、若者に愛され続ける理由がよくわかる一冊です。
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グレン・グールドの生涯
オットー・フリードリック(著) , 宮沢 淳一(訳)
ほぼ独学でピアノを覚えた少年時代、衝撃のデビュー、突然の演奏活動引退、その後の人目を避けたカナダでの生活まで、伝説に満ちたグールドの生涯を描いた評伝です。夏でも厚着で手袋をしていた、FMとAMを同時に聴いていた、スピード狂で事故をくり返していた・・・など、そのエピソードの数々に驚かされるでしょう。
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グレン・グールド演奏術 新装版
ケヴィン・バザーナ(著) , サダコ・グエン(訳)
伝統的な演奏習慣だけでなく、ときに作曲家の指示さえ逸脱して演奏したグールド。本書はそんなピアニスト・グールドの過激な魅力を詳細に分析した一冊です。楽譜だけでなくCDも付属し、エキセントリックのひと言で片づけられがちなグールドの演奏が、いかに独創的な解釈にもとづいていたかを耳と目で知ることができます。
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グレン・グールド 未来のピアニスト
青柳 いづみこ(著)
ピアニストならではの視点でグールドの天才性に迫ったのが本書。驚異的な指さばきを可能にした手の特徴。床スレスレの低い椅子に座る、奇妙な演奏スタイルに秘められた戦略。さらに、それらが曲目に制限を与え、コンサート引退の原因を招いたのではないか?といった独自の推察も。他では得られない知見が満載です。
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グレン・グールド著作集 2 パフォーマンスとメディア
グレン・グールド(著) , ティム・ペイジ(編) , 野水 瑞穂(訳)
著述家としても旺盛に活動したグールドの文章を集めた一冊。「21世紀中にコンサートはエレクトロニクスの発達に取って代わられるだろう」といった予言的な発言、謎の博士に扮した文章、自分で自分に自分について訊くインタビューなど、音楽同様、真面目とふざけが入り交じった一筋縄ではいかない魅力にあふれています。
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