雪の降る日に読みたい！雪の情景が印象的で、物語世界にどっぷり浸れる本

瀕死の子犬を拾った深雪は、「忘れ雪に願えば叶う」という祖母の教えを信じて願いをかけます。そこへ偶然通りかかった獣医の卵・桜木によって子犬は救われ、深雪と桜木の恋がはじまります。やがて別れのときがきて、再会を誓い合う2人。7年後、意外な展開が待ち受けています。2人の出会いを彩る雪が美しく心に残る物語です。

人気作家6人による、雪山の山荘を舞台にしたリレーミステリー。雪に閉ざされた山で次々と起こる事件を、6人の名探偵が解き明かしていきます。幻想的な風景描写が秀逸で、登場人物たちと一緒に雪山で過ごしている気分を満喫できるうえ、閉鎖空間で事件に巻き込まれる怖さも体験できます。雪景色とともに非日常感を味わえます。

雪の降るある日、いつも通りに登校した高校生8人は、凍りつく校舎に閉じ込められてしまいます。しんしんと降り積もる雪のなか、無人の校舎で起こる同級生の死をめぐる謎。真っ白な雪を背景に描かれる、どこかせつない高校生たちの群像劇に、心が揺さぶられたり、読後はしんとした感動を感じられます。

寒い朝、空で生まれた一片の雪の結晶を女性になぞらえ、その人生を描いた物語です。長い旅のなかで雨のしずくと出会い伴侶となり、子を成し、別れが訪れる様子が、珠玉の言葉で描写されています。穏やかで淡々とした語り口が、読むうちに心を癒してくれます。雪の結晶になって、空から地上への旅を疑似体験できる一冊です。

舞台は1880年の革命前のロシア。留学中の女学生・環は一枚の西洋画に見入られ、革命や歴史の波に翻弄されながらも過酷な運命を生き抜いていくことになります。まるで自分もロシア革命を目にした気分になれる物語。ロシアの極寒、シベリアの素朴な風景、日本とは趣の異なる雪景色が、激動の環の生涯を包み込みます。