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妖しく異様な雰囲気に呑みこまれる!昭和の怪奇&ミステリー小説
現代の小説ではなかなか味わうことのできない、呑みこまれそうになるほど強烈で独特の雰囲気をもった昭和の怪奇&ミステリー小説を集めました。洋館や土蔵など、いかにも怪しげな舞台設定。誰もがどこかに影を感じさせる登場人物。愛憎や陰謀が渦巻くストーリー。そんな、ときに妖しく、ときに幽玄な、異様な世界が堪能できる小説ばかりです。
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「愛のゆくえ」をテーマに編まれた江戸川乱歩の作品集です。新婚にもかかわらず、毎夜寝室を抜け出して土蔵にこもる夫。恋人の死がもたらした恐しい体験で30歳前にして総白髪になった男。浮気の疑いをロジカルな説明で晴らす姿が、逆に不気味な人妻。愛がもたらす狂気に襲われた人間たちの姿が、鮮烈に描かれています。
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江戸川乱歩、谷崎潤一郎らに見初められながら、27歳で夭折した著者の全作品を収録した一冊。淫靡で書き割りめいた世界で、嘘か本当かわからない言葉を交わす登場人物たち。二転三転する展開の後で唐突に訪れる、ときに陰惨で、ときにナンセンスな結末。読後、一瞬言葉を失ってしまうほど不思議な余韻を残す物語ばかりです。
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横溝正史の短・中編を集めた一冊です。自ら無数のヘビに体中を巻き付けられにゆく少年。白い仮面をかぶったまま一言も口をきかない画家。海辺の部屋で腐りゆく恋人の死体と暮らす青年。そして妖艶な女たちの悪魔のような裏切りが引き起こす愛欲の地獄絵図。夢に出てきそうなほど、病的で幽玄な世界が堪能できます。
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夢野久作の傑作短編10編を収録。星空や台所の天井、壁など、いたる場所に人間の顔を見出す少女を描いた「人の顔」。無人島に漂着した幼い兄妹が、しだいに倒錯的な愛に呑みこまれてゆく姿を書簡体で綴った「瓶詰地獄」。夢と現実のはざまのような世界観と狂気に襲われていく登場人物たちに背中のゾクゾクが止まりません。
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