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深層意識を探究した人々。精神分析家たちの系譜を知るための本
医師フロイトは神経症患者の治療を通じて、人間の深層意識を明るみに出す手法「精神分析学」を発明しました。何より「無意識」という概念を提唱したことは、西欧の医学界およびその他の学問界に賛否両論を引き起こしました。それ以来、謎と魅力に満ちた深層意識の探究は20世紀を中心に活況を極めます。その際立った足跡をここで紹介します。
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フロイト主義者であるラカンは、フロイトが臨床での経験を通じて理論化した精神分析学をさらに洗練させ体系化しました。ラカンの著作は超難解とされているため、まずはこの入門書から読まれることをオススメです。自身も精神科医である著者が、対象a、現実界/想像界/象徴界、シェーマLといった難解で謎めいた概念を見事に要約しています。
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哲学者ドゥルーズと精神科医F・ガタリの共著です。フロイトがあらゆる神経症を「父なるもの」との関わり、つまり「エディプス・コンプレックス」(父殺しの潜在的欲望)によってのみ説明しようとした点を批判し、分裂症を全面的に肯定した大著。矛先は精神分析学のみならず、資本主義や国家制度にまで向けられます。
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フロイトの継承者であるフロムが、ナチズムが台頭しつつあった近代社会に精神分析の手法を適用し、民衆がナチズムに傾倒するに至った原因を「自由」というキーワードをもとに解明しています。人はいったん自由を手にしてしまうと、居場所がわからなくなり孤独を感じるようです。結果として生じるのが、服従の心理。自由も一筋縄ではいきません。
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