満開の桜の下で読み耽りたい。桜をモチーフにした小説

坂口安吾の傑作と称されている短編小説です。満開の桜と、妖しく美しい残酷な女性と、山賊の男が繰り広げる儚く幻想的な物語。まるで目の前で桜吹雪が舞っているかのようなラストシーンの描写は圧巻です。今度のお花見では、お酒と桜、そして本書の美しくも儚い世界観に酔いしれてみてはいかがでしょう。

春が嫌いで桜アレルギーの大学生男子が出会った女性は、桜の下で忽然と消えてしまいます。彼女はどうして彼の前に現れ、桜の下で消えたのか？主人公の春限定で発動する不思議な力と、彼と彼女の出会いにまつわる切ないストーリー展開から目が離せなくなります。桜を眺めながら読んでみたいラブストーリーです。

共通するテーマは春。そして、東北を舞台に描かれた5編が一つにつながる物語です。どれも人とのつながりや土地とのつながりが丁寧に描かれています。切なくて温かい、人を想う気持ちが心に沁みるお話ばかり。暖かい春の日に桜の下で読めば、ちょっと元気になれる一冊です。

父にかけられた嫌疑の真相究明をする純朴な男・古橋笙之介を主人公にした、宮部みゆきの時代小説です。登場する人々や複雑な人間関係が丁寧に描かれていて、物語のもつ世界観にぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み終えてしまうでしょう。重要なシーンで桜がモチーフとして使われており、美しい情景描写を見ることができます。

隅田川をモチーフにした5編の時代小説をまとめた一冊です。現代よりも制約の多い江戸時代、それぞれの立場で精一杯生きる人々が描かれています。幼い日に故郷の桜の下で誓った友情と、久しぶりの友との驚愕の再会。切ないなかにも救いや希望があり、ちょっと疲れたときの息抜きとしてオススメです。