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小説家 折原一ブックキュレーター小説家 折原一

スティーヴン・キングをこれから読む人のために。そして・・・

『IT』『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』など、小説や映画で大人気の「恐怖の帝王」、スティーヴン・キング。本があまりに多すぎて何から読んだらいいのか迷っている読者に、キングの翻訳をリアルタイムで読んできた私がお勧めする初期の三作品。それらを読めば、あとは自分でお気に入りの「キング探し」ができるはずだ。

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  • 1970年代半ば、新人作家キングを初めて読んだ時の衝撃は忘れられない。私はスプラッタ系の小説をあまり好まないが、本を開いた途端、たちまちキング世界に引きこまれ、その圧倒的な筆力に舌を巻いた。新人にしてすでに大家の風格があった。当時はわが国の一般読者にそれほど浸透していなかったのが、今となっては懐かしい。

  • 長編第二作は、正統的な吸血鬼小説。同じホラーでも、前作の『キャリー』とはまったく傾向が違う。『ドラキュラ』のような古典を咀嚼し、完全に自分のものにしているうえに、独自の現代的な怖さを追加して、読者を翻弄する。新人キングの引き出しの多さに驚いたが、その後の活躍を見ると、「秘密のポケット」はまだたくさんあった。

  • 長編第三作の翻訳は、当初比較的マイナーな出版社から出た。1970年代後半、依然としてキングの人気に火がついていなかったが、映画化されてから爆発的にヒットした。キングの足場を揺るぎないものにした幽霊小説の傑作。『キャリー』から『シャイニング』に至る初期の三作品には、その後のキングのエッセンスが詰まっているといって過言ではない。

  • 上の三作品を押さえた上で、キングのすべての要素がちりばめられた『IT』も読んでおこう。現実の事件にヒントを得て、スケールの大きなキング的な作品に仕上げている。キング中期の最大傑作にして、「ホラーの玉手箱」。大ヒット映画を見た後に読んでも、もちろんおもしろい。

  • 最後に自作で恐縮だが、キング作品の中でも『IT』を溺愛する私がその影響をもろに受けて書いた作品を紹介する。構成は『IT』とほとんど同じ。第一部はダム底の廃校を訪れた少年たちが経験する恐怖。第二部はその二十年後、成人した彼らがダム底を再訪し過去の悪夢と対決する。『スタンド・バイ・ミー』の影響も大で、キングの二作品を思い浮かべながら読むと、興味深いと思う。『沈黙の教室』の姉妹篇。

小説家 折原一

ブックキュレーター

小説家 折原一

埼玉県生まれ。旅行雑誌の編集などを経て、1988年、『五つの棺』(東京創元社。後に加筆して『七つの棺』)でデビュー。同年、『倒錯のロンド』(講談社文庫)が江戸川乱歩賞候補に。95年、『沈黙の教室』(ハヤカワ文庫)で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。代表作に『冤罪者』『失踪者』(文春文庫)、『グランドマンション』(光文社文庫)など。作家活動30周年の2018年、『異人たちの館』(文春文庫)が「本屋大賞」の「超・発掘本」に選ばれる。

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