クスッと笑えてじんわり泣ける！少女漫画家・川原泉の世界

高校野球を題材にしたコミックは熱血モノが多いですが、表題作では、淡々と野球に取り組む高校球児とうっかり監督になってしまった主人公によるひと夏の甲子園がコミカルに描かれています。同時収録の3編も含め、落ち込んだ時に読めば元気になる話がまとめられた傑作選です。

同じ学校を舞台にした4編を収録したオムニバスストーリーです。「学園モノ」と呼ぶにはかなり変化球なお話ばかりですが、読み終わってほっこりできる川原泉節は絶好調。俳優にまつわるひとコマを描いた表題作のほか、高校生の頃の空気感を思い出させてくれるストーリーがそろった一冊です。

食べ物をテーマにした「食欲魔人シリーズ」と呼ばれる6編と、ほか3編で構成された短編集です。表題作で描かれる、二枚目だけどとにかく食い意地が張ったパイロットと幼馴染みによる少し間の抜けた掛け合いは、まさに川原泉の真骨頂。続編「カレーの王子様」も収録されています。読みやすいので、川原泉入門にもオススメも一冊です。

飄々とした作風が全開となった表題作では、火星人と事務長と生徒が織りなすSF学園ドラマが描かれています。膨大なセリフや解説もあっさりと読み進められてしまうテンポのよさに、思わずくすりとさせられるはずです。弓道部に入部した新入生を主人公にした「これから私は武士になる」も併録。気分転換にオススメの一冊です。

川原泉作品で唯一のシリアス物と言われている「Intolerance・・・ あるいは暮林助教授の逆説」を含む6編を収録した作品集です。同作はゼミの単位欲しさにひと夏のアルバイトに参加した女子大生が、物静かな教授の秘密に触れてしまうストーリー。川原泉のコミックらしからぬ雰囲気が味わえる異色作です。