言葉に秘められた力とは？言葉を大切にしたくなる本

13世紀モンゴルを舞台に、文字を守ろうと命を懸けた人々の物語です。母の出身地である西夏の文字が記された盤「玉音同」をモンゴルの手から守るため、旅に出た少年ユルール。彼は旅の中で出会った少女シュトヘルと文字を通して絆を深めていきます。文字を守り抜こうとした人々の生きざまに、心が揺さぶられるコミックです。

星新一によるショートショート集。この本に収録されている「愛の鍵」という話は、言葉が鍵として使われている世界の出来事です。人々は任意の言葉を鍵として登録し、日々を過ごしています。「愛の鍵」はそんな言葉の鍵にまつわる、とある男女の物語。言葉がつないだ人々の想いに触れてみてください。

外国語を翻訳する。今では当たり前になった行為ですが、どうしても翻訳できない言葉もあります。言葉だけでは説明しきれない、その土地に住む人だけが持つ感覚や価値観。その一端を、この本で垣間見ることができます。言葉を生み出した人たちの感性に、思わずうなってしまう一冊です。

学校に行くことのできなくなった少女・まいの、ひと夏の魔女修行を描いた物語です。魔女である祖母がまいに語りかける言葉はまるで魔法のように、読者の心にも響きます。自分の想いを言葉にすることで自信につなげていくシーンなど、言葉の力を感じさせる描写が随所にちりばめられています。

辞書編纂に携わることになった馬締と、辞書に人生を捧げた人々の物語です。膨大な数の言葉を集め、時代に即した辞書を作り上げる作業。それはまるで言葉の海に漕ぎ出すための舟を編んでいるようだと、馬締たちは感じます。日常に漂う言葉の一つ一つが愛おしくなるでしょう。