ブックキュレーターhonto編集員
介護する側、される側の幸福な関係について考えるための本
老齢人口の比率が増加し続けるなか、家族の平均像は大きく変化し、以前から制度の変革を重ねてきた障害者介護の現場含め、介護のあり方は家庭内・施設内いずれも見直しを強いられています。介護する側、される側いずれにとっても幸福な関係を保つための方法を考えるうえで、具体的事例とともに参考となる本を紹介します。
- 3
- お気に入り
- 2158
- 閲覧数
-
「死にたい」と繰り返す祖父と、自然な安楽死を計画しつつ筋トレの日々を送る主人公の対比が切なくも滑稽な小説です。介護をする側の残酷さややさしさは表面だけ見ていてもわかりづらい、ということがよくわかります。ひねりの効いた笑いも差し挟まれた、骨太な一冊です。
-
母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記
松浦 晋也(著)
50代男性である独身ライターが、母親の介護にあたった日常を赤裸々に綴ったノンフィクションです。介護をする家族がどれだけ苦しい立場を強いられるかということを、自らの体験とともに緻密に描いています。ここでの著者の告白は、同じ立場になった人にとって大きな心の支えとなるでしょう。
-
逝かない身体 ALS的日常を生きる
川口 有美子(著)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)となった母親を介護した12年の体験のドキュメントです。幸福に暮らしていた家族がどれだけのものを犠牲にするか、どういうケアが必要かといった難関に、著者が手さぐりで解決策を見いだしていく過程はまるで謎解きのよう。実話でありながらも、小説のように読み進めることができます。
-
崩壊する介護現場
中村 淳彦(著)
自らも介護事業所を運営する著者が、介護の現場で生じている生々しい問題をデータとともに示した本です。介護する人、される人のいずれにとってもシビアな現状を突きつけられ驚かされます。理想の介護のあり方を考える基盤として、頭に入れておきたい事実が満載の衝撃的な一冊です。
-
福祉と贈与 全身性障害者・新田勲と介護者たち
深田 耕一郎(著)
障害者運動の歴史や全身性障害者・新田勲の実例を起点として、福祉を「贈与」という観点から検討している本です。障害者、介護者と一口に言ってもその関係や在り方は決して一様でなく、矛盾に満ちたものであることが多角的に示されています。贈与という観点を用いたことで、未来へ通じる希望を持つことができます。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です