ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
人はぶつかる、すれ違う、立ち止まる・・・そして前へと進む
周囲の人とのぶつかり合いやすれ違いによる心の痛み・・・。児童文学の傑作には、主人公たちがそんな数々の葛藤体験を乗りこえていくプロセスが魅力的に描かれたものが多くあります。物語の中で主人公とともに悩み、悲しみ、それを乗りこえてより大きな人間になる―。まさに、読書の醍醐味です。
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ぬすまれた宝物
ウィリアム・スタイグ(作) , 金子 メロン(訳)
多くの傑作絵本を手がけたスタイグによる、一人読みを始めた子にもうってつけの児童書。王様の宝物殿の門番であるアヒルのガーウェインは、無実の罪で犯人扱いされ、町を追われてしまいます―。擬人化された動物たちが登場人物ではありますが、描かれているのは人間社会における冤罪問題と、それがもたらす深い苦しみです。
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ラモーナとおかあさん 改訂新版
ベバリイ・クリアリー(作) , 松岡 享子(訳) , アラン・ティーグリーン(絵)
感受性の鋭い女の子ラモーナがくり広げる愉快な事件の数々を描いた、アメリカの大人気シリーズの一冊。家族とのちょっとした気持ちのすれ違いがリアルに描かれ、共感を呼んでいます。「児童心理学の本を何冊も読むより、このシリーズを読んだほうがずっと子どもの気持ちがわかる」とは、訳者である松岡享子氏の言葉。
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とある事情でバスケ部をやめて弱小放送部にいる中学生のみさとは、個性的なメンバーや先生たちとともに放送コンクールを目指すことに―。言葉で伝えあうことの難しさと素晴らしさ。もがきながらも自分の言葉を紡ぎ出し、前へ進もうとする主人公たちの姿が生き生きと描かれ、彼らとさまざまな思いをともにできます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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