ブックキュレーターhonto編集員
「食」を考えると「農」にぶつかり、環境や教育や政治まで考えさせられる本
食や農の問題といえば、まず思いつくのが「コメ」のことではないでしょうか。でもコメのことを考えると野菜も魚も気になりますし、農薬や環境へとイメージは広がり、食育や農の次代を担う後継者問題、はては政治のことまで考えてしまいます。ここでは、そんな「食と農」の現状と課題を考察し、未来を展望するのにもってこいの本を選びました。
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日本の農業を考える
大野 和興(著)
私たちが毎日食べる肉や野菜などの農産物は、誰がどこでどのようにして作っているものなのでしょう。さらに狂牛病や鳥インフルエンザ、残留農薬など食の安全を脅かす問題はなぜ起こるのか。この本では日本の食を支える農業の現状を紹介し、「安心して食べられる食べもの」をつくりだす農業とはどうあるべきかを考えます。
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百姓が時代を創る 増補
山下 惣一(著) , 大野 和興(著)
環境問題、原油高、食品偽装、教育など、私たちを取り巻く諸問題はすべて農に通じる、とこの本では主張しています。経済のグローバル化は「農業恐慌」と「新しい貧困」をもたらし、「コメをつくっていては食っていけない」という状況を生み出しました。農民作家の雄と稀代の農業ジャーナリストが、世界の農業の危機を語る一冊です。
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日本の食と農 危機の本質
神門 善久(著) , 猪木 武徳(編集) , 北岡 伸一(編集) , 坂村 健(編集) , 松山 巖(編集)
食の安全・安心を憂うわりには、自身の食生活には驚くほど無頓着、といった視点から日本の農業問題を論じています。「食生活をみだしたのは消費者自身」「地産地消、グリーン・ツーリズムの誤謬」「食育の誤謬」と容赦ない指摘が続きます。「見たくない」「知りたくない」現実にも目を向ける、という意味でも読んでほしい一冊です。
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農業のマーケティング教科書 食と農のおいしいつなぎかた
岩崎邦彦(著)
農業にもマーケティングの手法を導入すべきだ、という視点で書かれた本です。しかも、既存の理論を単に農業に当てはめるのではなく、消費者にとって「食」とはそもそもなんなのか、品質やおいしさをどう伝えるかなど、理論の本質に迫ります。読後、副題である「食と農のおいしいつなぎかた」の意図するところがよくわかるはずです。
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もの食う人びと
辺見 庸(著)
「食と農」を考える前に、知っておきたいことがたくさん出てくる本です。人は何をどう食べ、あるいは食べられないのか。レストランで食べ残された残飯をめぐる流通市場の需給関係、放射能汚染食品のことなど、食に関連する重いテーマが続きます。食べるということはどういうことなのか、今一度立ち止まって考えたくなる本です。
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