ブックキュレーターhonto編集員
カフェと音楽だけじゃない――ウィーンの街を深く味わうためのガイドブック
ザッハトルテにモーツァルト、ハプスブルク家の華麗な宮殿・・・旅人を夢中にさせる魅力にあふれた街ウィーン。この街の醍醐味は、歴史の面影を辿ることにあるといえます。ここでは光と闇の交錯した近現代のウィーンを知る手がかりとなる本を集めました。街に生きた人々の思い出を胸にウィーンを歩けば、あらゆる街角に物語を発見できるでしょう。
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琥珀の眼の兎
エドマンド・ドゥ・ヴァール(著) , 佐々田 雅子(訳)
19世紀、ジャポニスムの熱狂のなか日本の小さな根付がヨーロッパへ渡りました。ウィーンのユダヤ人銀行家、エフルッシ一族に所有された根付コレクション。琥珀の眼の兎は華麗なる一族の盛衰を見つめ、ナチスの時代の闇に消えるはずでしたが・・・。一族の末裔である著者が、徹底的な追跡取材で綴る傑作ノンフィクションです。
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建築のエロティシズム 世紀転換期ヴィーンにおける装飾の運命
田中 純(著)
クリムトやフロイト、ヴィトゲンシュタインらが稀代の才能を輝かせた世紀転換期ウィーン。本書は装飾性を徹底的に否定した建築家アドルフ・ロースの仕事を中心に、芸術と建築におけるエロスの表現を暴露して考察します。読後にウィーンの街を歩けば、ロースのように『建築家は最大の犯罪者だ』と呟きたくなることでしょう。
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ウィーン 都市の近代
田口 晃(著)
「夢の都」ウィーンを支えた土台、近代ウィーン市政に焦点を当てた一冊です。ハプスブルク家の皇帝のもとで栄え、大胆な近代都市建設を展開したウィーン。この先進的で自由な都市から生まれたポピュリズム政治は青年ヒトラーの思想に影響を与え、やがて台頭したナチス・ドイツにウィーンも呑み込まれてゆくことになるのです。
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昨日の世界 1
シュテファン・ツヴァイク(著) , 原田 義人(訳)
『マリー・アントワネット』などで知られるウィーン生まれの伝記作家ツヴァイク。1942年にヨーロッパの未来に絶望して自殺する彼が、二つの大戦によって破壊されたヨーロッパの黄金時代を愛しんで遺した回想録です。コスモポリタニズムと平和主義の理想が生きていた「昨日の世界」のウィーンの姿が描かれています。
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第三の男
グレアム・グリーン(著) , 小津 次郎(訳)
映画史上に残る名作『第三の男』。1948年冬のウィーンで撮影されたフィルムには、連合国の爆撃に破壊された街がそのまま写し取られています。深く慕う親友ハリー・ライムに呼ばれ占領下ウィーンへやってきた主人公は、親友の事故死を知り・・・。友情の迷宮となったウィーンのスリルを原作小説でも体験してみてください。
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