ブックキュレーター港の人 編集者 井上有紀
瞬間芸ではなく名人芸と呼びたい。超短編小説のにぎやかな楽しみ。
ショートショート、超短編作品がたくさん収められている小説集をご紹介します。あっという間に引き込まれ、ひっくり返され、連れて行かれることの繰り返しですから、手軽に読めても衝撃力は決して軽くないはず。短いからといって瞬発力だけでは成り立たず、技術の奥行きや柔軟さが試される創作世界だということが、読めば読むほどわかります。
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星新一ショ-トショ-ト1001
星新一
辞書みたいに分厚くて重たい本3冊のセット。価格もそれなりですが、星新一の作品群を大きな塊で読む楽しさは、文庫本では味わえないもの。10代の頃に読んだけれど・・・と迷っている人、大丈夫です、今読んでもおもしろいです。星新一という作家が成し遂げた仕事の量と質は、大人にも大きなものを与えてくれます。
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文豪てのひら怪談
東 雅夫(編)
数々の名アンソロジーを生み出している東雅夫のすばらしいアンソロジストぶりを改めて認識する一冊。見開き2ページで完結する怪談が、ぴったり100本。目次の作家名の多彩さにまず目を奪われ、本文に入れば、緩急自在の語り、無限の色合いを帯びることばの乱舞に圧倒されて、怖いんだけど何だかニヤニヤしてしまいます。
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ほとんど見えない
マーク・ストランド(著) , 森 邦夫(訳)
マーク・ストランドは村上春樹の翻訳による『犬の人生』という小説集で知られていますが、本来は偉大な詩人として知られています。これは生前最後の著作で、散文と散文詩の中間とでも言うべき作品のコレクション。人生の滑稽さを愛しさに転じるこんな絶妙な味わいは、年季の入った老詩人だけがつくれるものでしょう。
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安西水丸の絵がいっぱいあって嬉しいフルカラーの文庫本。くもざるはもちろん、渡辺昇もフリオ・イグレシアスも、メイさんや地下鉄銀座線なども登場。90年代前半、村上春樹がボストンに住んでいた頃、広告用に書いたもので、言わばナンセンス小説集。楽しんで書いている雰囲気が伝わってきます。
ブックキュレーター
港の人 編集者 井上有紀鎌倉の由比ガ浜にある出版社「港の人」勤務の編集者。手がけた本は、『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』(マーシャ・ブラウン)、『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)、『胞子文学名作選』(田中美穂編)、『世界 ポエマ・ナイヴネ』(チェスワフ・ミウォシュ)、『90度のまなざし』(合田佐和子)など。海を見ながら自転車で通勤する時間が、毎日のいちばんの贅沢です。本棚の隅っこにあるような本もふくめて、一冊一冊大切に紹介します。ホームページhttps://www.minatonohito.jp
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