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認めたのは3体だけ!?トールキンが愛したドラゴンが登場する本
ファンタジーの大家J.R.R.トールキン。その彼が本物と認めたドラゴンは、『ベーオウルフ』、『ヴォルスンガ・サガ』、そして『北欧神話』に登場する3体だけでした。ドラゴンとは人間の壮大な想像力によって生み出された、彼らが守る黄金よりも価値があるものだと述べたトールキン。彼が影響を受けた作品と、彼自身が描いた作品の両方を紹介します。
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ドラゴンが登場するトールキンの最も有名な作品です。物語のほぼラストに登場するスマウグは性悪で欲深い、児童文学界を代表する恐ろしいドラゴンですが、主人公ビルボはその巣穴に知恵と話術だけを武器に乗り込みます。ドラゴンの登場箇所の執筆には、なんと4年もの時間をかけたというから驚きです。
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ドラゴンは恐ろしい存在・・・だったはずなのに、宝を取られ、家来にされて、と散々な目に合う表題作のドラゴンは、強くて狡猾、でもどこかユーモラスで憎めない魅力を持っています。『ホビットの冒険』とほぼ同時期に構想されながらも、楽天的で皮肉屋の主人公ジャイルズによるまったく違ったドラゴン退治が楽しめる作品です。
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英雄ベーオウルフが怪物グレンデルやドラゴンを相手に戦う物語です。一見単純な筋の中から、英雄の死や物語の構造における怪物の配置に、トールキンは大きな意味を見いだしていました。『ベーオウルフ』は最も重要な創作の資源だった、と手紙にも書かれており、『ホビットの冒険』にも『指輪物語』にも影響を与えた作品です。
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北欧神話の物語群の一つである『ヴォルスンガ・サガ』。狡猾で強大、でも話好きなドラゴンのファフニールは、『ホビットの冒険』のスマウグと同様に、会話をするなかで疑いや強欲の種を主人公の心に撒いていきます。その古英語の物語をトールキンが翻訳して書き直し、息子のクリストファーが編集して出版されたのが本書です。
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