可愛さと勇ましさの狭間で育つ、少年たちの美しさに息を呑むコミック

画家の兄に自分の絵をつまらない、と一蹴されて追いつめられていた蓉子のもとを偶然訪れたのは、色素の薄い美少年・みつきでした。僕を描いて、と迫られるがままに蓉子は少年を描くものの、画家としての力不足を痛感し・・・。人懐っこいみつきがふと見せる大人びた表情に、思わずドキッとするはずです。

お金持ちの天才少年である風茉と、親同士の決めた許嫁である女子高生・咲十子のラブストーリーです。知性と冷静さを併せ持つ風茉はつねに自信たっぷりで勇ましいのですが、咲十子と触れ合ううちに引き出されてくる、悔しがったり照れたりする感情豊かな表情、そして可愛らしい笑顔にグッと心を鷲掴みされてしまいます。

繊細で柔らかい画風で描かれる30歳の聡子と、整った顔立ちの少年・真修の物語。人生の苦味を知っている読者ならば、真修の子どもらしいまっすぐさややさしさに癒されつつも、どこか影のある表情に魅せられてしまうでしょう。未成年との交流に立ちはだかるハードルをリアルに感じられる展開にも引き込まれます。

隣の家のヤンキー少年・龍桜と腐女子のかづ子の日常を描く4コマ漫画です。龍桜は彼女に恋をしていますが、かづ子は鈍感さと思い込みゆえに彼の想いにまったく気づきません。すれ違う恋模様もおもしろく、そして彼女に近づこうと大人ぶってツンツンした態度の龍桜が、年相応に照れたときの可愛らしさが印象的です。

美人のオトナ女子・朱美が通勤中のバスで隣に座る男性に仕掛けていた、あるゲームに失敗することから始まる物語が表題作です。失敗の悔しさから相手の中学生・翔太を意識した朱美。そして2人は恋に落ちます。意地悪な少年から頼れる青年へと変わっていく、出会ってから結婚するまでの翔太の成長が愛おしい一冊です。