ブックキュレーターhonto編集員
パートナーを大切にしたくなる。夫婦の愛情の重なりを描いた本
他人同士だったふたりが出会い、運命をともにする「夫婦」って、思えば不思議な関係です。そんなさまざまな夫婦のあり方を、丁寧にしみじみと描いた本を集めました。未婚の方には結婚って良いものだなあと感じられ、結婚している人は、読み終えたあとに自分のパートナーのことをもっと大切にしようと思えるようになるはずです。
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あなたが子供だった頃、わたしはもう大人だった
川崎 徹(著)
年上の妻が亡くなり、遺された初老の夫が彼女との日々を回想する形式で話が進みます。時おり差し挟まれる少年時代の断片的なエピソード、妻との過去の記憶やほほえましい会話、そして老境の現実が時間を超えて入り混じり、美しく語られます。亡くなってもなお夫の記憶に鮮やかに生き続ける妻の幸福さが眩しい名作です。そんな表題作の他1編を収録。
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存在の耐えられない軽さ
ミラン・クンデラ(著) , 千野 栄一(訳)
浮気を繰り返す医師の夫と、その妻の苦しみを生々しく描いたチェコ出身の作家による世界的名作です。動乱の政治情勢を背景に、葛藤の末やっと夫婦がたどり着いた新天地、そして衝撃的なラストに「夫婦の本当の幸福とは何か?」と考えさせられます。夫婦関係で苦しむ人、夫婦仲の再構築で悩んでいる人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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作家・武田泰淳の妻である武田百合子による、富士山荘での暮らしを綴った日記文学です。日々の食事、買い物、自然の移ろいなど、生活に根づいた事象が少女のような視点で生き生きと描かれます。しだいに弱っていく夫との13年にわたる最後の日記は、涙なくしては読めません。夢のような理想の夫婦像が羨ましくなります。
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