ブックキュレーター哲学読書室
「歴史の思考」へと誘う5冊
「歴史を受け継ぐ」「歴史を乗り越える」「歴史を忘却する」──歴史に対するさまざまな態度はどれも、私たちが歴史のなかに所属していることを前提としています。『デリダ 歴史の思考』の刊行にちなんで、歴史とのかかわりを根本的に考えるための一歩となる、お勧めの文庫・新書を紹介します。【選者:亀井大輔(かめい・だいすけ:1973-:立命館大学文学部准教授)】
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歴史を哲学する 七日間の集中講義
野家啓一(著)
明快な講義のスタイルで、現代における歴史哲学の可能性を考える入門書。過去は実在するか、歴史的事実とは何かなど、歴史をめぐる基本問題のありかを分かりやすく解き明かしています。歴史哲学の歴史を知るうえでも有益な一冊。著者の『物語の哲学』(岩波現代文庫、2005年)も併せてお勧めします。
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「時間」の問題も歴史の思考に不可欠です。時間の概念が本質的にメタファー(隠喩)であるという本書の視点は、デリダにもどこか通じるものがあります。本書は言語学者の手による小著ながら、時間と言語をめぐる明快かつ思索に満ちた、すぐれた哲学的試論でもあります。
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デリダ歴史の思考
亀井 大輔(著)
ジャック・デリダの1960年代の思想を、〈歴史の思考〉というモティーフを手がかりにして捉えなおす試みです。歴史の問題と真剣に格闘しながら、脱構築の思想を形成したデリダの足取りを描き出しています。言語、翻訳、時間、隠喩などの問題についても取り上げています。
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哲学読書室知の更新へと向かう終わりなき対話のための、人文書編集者と若手研究者の連携による開放アカウント。コーディネーターは小林浩(月曜社取締役)が務めます。アイコンはエティエンヌ・ルイ・ブレ(1728-1799)による有名な「ニュートン記念堂」より。
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