ブックキュレーター中公新書編集長 田中正敏
疲れすぎて本を読めないときでも手に取りたい「暮らし」のエッセイ
活字好きの方でも、日々の生活に疲れ果てて文字を追う元気も出ない、そんな時はありませんか。私はあります。というより、仕事と育児の両立に奔走している今は毎日そんな感じかも。それでも「暮らし」を描いたエッセイは別なんです。肩の力の抜けた、ゆるやかな文字の連なりに身を投じると、少し気分が楽になる気がします。
- 38
- お気に入り
- 4153
- 閲覧数
-
活字と自活
荻原 魚雷(著)
中央線を舞台に家事と古本、生活と執筆、お茶とお酒、努力と怠惰がほどよいバランスで混じり合った荻原魚雷さんの文章を読むと、とにかくホッとします。そして自分がどれだけ肩に力を入れて、毎日何かに追われるように生きているのかに気づきます。紹介される本がどれも面白そうで、目移りします。
-
永江朗さんは本や出版を中心に活躍するライターとして著名ですが、生活に関する本が良いんです。多くの人が妄想するだろう「京都に住んだら」を実現させるため、古家をリノベーションして暮らし始めるまで。いいなあ。東京の自宅を建てるまでを描いた『狭くて小さいたのしい家』もおすすめ。
-
内田樹さんの自宅兼道場「凱風館」が建つまでと、そこに込められた思想。建築、住まい、にとどまらない暮らし方、生き方についての本ですね。こんな家を建てたい、こんな人間になりたい、と感じる一冊。政治や経済について著者と意見があわない人でも、「住まい」に関心があれば手に取ってみてほしいです。
ブックキュレーター
中公新書編集長 田中正敏1977年広島県生まれ。2002年に中央公論新社入社。婦人公論編集部、中央公論編集部を経て、09年より中公新書編集部。18年より編集長。主な担当作に増田寛也編著『地方消滅』、吉川洋著『人口と日本経済』、磯田道史著『日本史の内幕』など。テクノとサンフレッチェ広島とシマリスが好きです。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です