ブックキュレータータレント 藤岡みなみ
他者との境界に手を伸ばす本
あなたとわたしは違っている。持って生まれた性質、生きている環境。何を美しいと感じ、何に怒るのか。同じ人はひとりもいない。世界中にある、またはすぐそばにある他者との境界を真摯にみつめ、寄り添い、喜びに変えて生きていくヒントとなる本を、2018年以降に発売された本の中からあつめました。
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まなざしが出会う場所へ 越境する写真家として生きる
渋谷 敦志(著)
フォトジャーナリストとして世界中を旅する渋谷敦志さんのルポルタージュ。違っているから、わからないから、と目を背けるのではなく、ひたすらまっすぐみつめようとする「写真家にしかできない魂の対話」。フォトジャーナリストとして活動していく中で心を動かされた瞬間がつぶさに書かれており、何度も揺さぶられます。
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はじめての沖縄
岸 政彦(著)
「日本の人気の観光地で、個性的な文化の南の島」みたいなイメージじゃなくて、本当の意味で沖縄という場所について考えてみようとする本。沖縄の辿った歴史、置かれている複雑な現状、差別、本州との境界。そこに触れようとしたときに見えてきたいくつかの断片。ラベリングやイメージに還元される前の、ある瞬間たち。
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韓国の一般的な女性の人生を描いたフィクション。当たり前とされてきた文化のなかに性差別がたくさんあるということを、淡々と、しかし痛烈に指摘している作品です。「普通」のなかに埋め込まれているものってたくさんある。
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誤解されがちで個人差も大きい吃音のリアルと当事者を取り巻く環境について、とにかく丁寧にまとめられています。吃音の特徴として「一人でいる時には障害にならない」「他者が介在する障害」と書かれているところでハッとしました。障害について考えることって、コミュニケーションそれ自体を考えることとイコール。
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異なり記念日
齋藤 陽道(著)
大好きな人に配ってまわりたい本です。異なるということへの、子どものプリミティブで新鮮な感動。ことばを解体するような、心のやりとり。はじけるような人生のきらめきがページをめくるたびにまぶしく瞬き、胸がいっぱいになります。
ブックキュレーター
タレント 藤岡みなみ1988年生まれ。タレント、エッセイストなどとして活動。2015年ラジオ番組表好きなDJランキングAM部門第1位。時間SFと縄文時代が好きで、2019年からタイムトラベル専門書店utoutoをはじめる。著書に『藤岡みなみの穴場ハンターが行く!in北海道』(北海道新聞社)、『シャプラニール流 人生を変える働き方』(エスプレ)がある。
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