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沖縄に寄り添うために。そこに生きる「人」を見つめた必読書
「沖縄」とはどこでしょう。政治的闘争のためのリングか、美しい自然を眺めるギャラリーか。いや、そこは人々の住む土地なのです。当たり前に思えますが、ときに忘れられる事実。悲しいかな、だからそれを強調しなければいけません。ここに挙げた本は、沖縄に住む「人」の記録です。単純ではありえない人生を目撃して、あなたは何を思いますか?
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はじめての沖縄
岸 政彦(著)
これは沖縄ガイドブックではありません。社会学者である著者の、沖縄の人との出会いをめぐるエッセイです。とても読みやすく、しかしとてもわかりにくい。沖縄を「わかろう」として読むのなら愕然とすることでしょう。しかし、その沖縄の「わかりにくさ」を理解できたなら、「はじめての沖縄」としては成功です。
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夜、沖縄で、さまざまな事情をもった女性たちが働き始める。本書は、そんな彼女たちへの聞き取りを集めています。しかし、調査者である著者は冷たい観察者ではありません。長い年月、女性たちと関わり合うなかで、ともに喜び、悲しむその姿に、心を動かされます。これは、女性たちの物語であり、著者自身の物語でもあるのです。
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本書は、消えゆく沖縄の売春街を取材したものです。戦後の沖縄には、生きるために体を売った人々がいます。その流れを汲む今なお残る売春街は、観光地化する沖縄から「浄化」されつつあります。著者は、だからこそ記録を残そうと立ち上がりました。その記録はどんな小説よりも、フィクションかと疑いたくなるものばかりです。
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ヤンキーたちのパシリとなって始まった調査は、実に10年にも及びました。本書には、沖縄のヤンキーたちの生活史が綴られています。10年もの間に、解体屋や風俗経営者となる者も。そんな彼らにとって地元とは、ときに生活を保障してくれるものであり、ときに生きづらさの元凶になるものなのでした。
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