ブックキュレーター個別指導塾ココロ・ミル塾長 山田佳央
立教大学への推薦枠を持つ！香蘭女学校の入試問題
立教大学への推薦枠を80名分持っている香蘭女学校。ガールスカウト発祥の地であることや、高等科の生徒が中等科の生徒の勉強を見る学習会など縦のつながりが強いのが特徴的な伝統校です。生徒たちは毎朝、校門をくぐった先にある四季折々の花々のなかを通学するそうですが、入試問題からも感受性を大切にする精神が伝わってきます。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点（2019年6月17日）の情報に基づいております。
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記憶のつくり方
長田 弘（著）
エッセイであり、詩でもあるような濃厚な文章。入試問題として読むには少々やりづらいかもしれませんが、だからこそ後でじっくり読んでみたくなります。幼い頃の記憶を思い返して、流れさる時間が無数の欠落の上にのこした情景の集積が人生であると納得しました。H28年度出題。
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光村ライブラリー １５ ガラスの小びんほか
樺島 忠夫（監修） , 宮地 裕（監修） , 渡辺 実（監修） , 森 忠明（ほか著） , 杉浦 範茂（ほか挿画）
表題作の「ガラスの小びん」がH22年度に出題。ある日、父の大事にしているガラスの小びんにつまった甲子園の土を、反発心から捨ててしまう主人公。しかし、とんでもないことをしてしまったとすぐに後悔する気持ちには、どこか覚えがあります。児童向けで読みやすいながらも、繊細な心の動きにどきっとする作品です。
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物語ること、生きること
上橋菜穂子（著） , 瀧晴巳（著）
「守り人」シリーズでも有名な上橋菜穂子さんの作家としての源泉に触れられる一冊。私も学生時代に読んだ『獣の奏者』が大好きですが、そんな物語世界を生み出す上橋さんは、中高生の頃から物語を通して「境界線の上に立つ」人について考えていたのかと深く感じ入りました。H27年度出題。
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時間の流れがゆったりと感じられるような、あたたかい気持ちになれる物語。「ようこちゃんは媒染剤みたいな人になれるよ」など、人形と心を通わせるというファンタジーな一面を持ちながらも、登場人物の台詞は現実を生きる私たちの心をぎゅっとつかむような印象的なものばかりです。H25年度出題。
ブックキュレーター
個別指導塾ココロ・ミル塾長 山田佳央早稲田大学政治経済学部卒業。日本たばこ産業（JT）を経て、中学受験専門の個別指導塾ココロ・ミル（http://kobetsushido-shibuya.com/）を渋谷に開校。中学受験の大手塾であるSAPIX、四谷大塚、日能研等で成績が数年伸びないお子様の成績を改善し早慶附属中などの有名私立中学に合格者を多数輩出している。そのことが口コミで広がり募集から数週間でキャンセル待ちとなる。自身国語が苦手だった経験を活かし、子供の目線に立った教材選定や思考法にまで落とし込んだ既存の枠組みを超えた指導で国語の偏差値を20以上伸ばしたケースも数多く、関西や山陰などの遠方からもお客様を抱える。講師としても2,500名以上を指導する現場主義者。著書『小学国語900のことば』（双葉社）。
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