ブックキュレーターhonto編集員
実はとてもダイナミック。日本の中世の歴史をいろいろな角度から学べる本
中世は、貴族の世から武士の世へ移り変わった時代です。同時に、家を基本にした社会のありかたが確立し、商人や職人という職能文化が栄えました。借りたお金は返すという決まりごとが定まったのもこの時代です。芸能では、能や狂言などが発展し型の文化が登場します。現代に通じる社会の土台が出来上がった中世の魅力に迫る本を紹介します。
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中世社会のはじまり
五味 文彦(著)
日本の中世の成立には、自然災害や中国の政治的動乱とそれへの対応が大きく影響しています。400年にわたる中世の歴史を通観し、現代にもつながる日本社会の基礎が築かれていく軌跡を明らかにします。シリーズ第1作の本書は、中世初期に始まった院制から百年ごとに起こる時代の変化に着目し、武士の台頭までを扱います。
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武士はどのように誕生したのか、という問いにこれまで明確な答えはありませんでした。著者は、自らの専門である儀礼とその思想研究のため、武士の本質を明らかにする必要があり、この難題に取り組むことにしました。資料や先人の研究成果を踏まえ、血統や都鄙という視点を加えて武士の成立過程をあぶりだした労作です。
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借りたお金は返さなければならない、現代では当たり前の考えです。しかし、中世では「徳政令」という、借金を棒引きにする発令がたびたびありました。本書は、中世の商業や金融、法律といった制度を読み解きながら、徳政という思想が生まれ、そして廃れた歴史背景と、借金を返さなければならない社会の誕生を解説します。
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中世日本を生きる 遍歴漂浪の人びと
新井孝重(著)
古代の中央権力が衰え、権力が地方に分散してゆく中世初期は、農民や武士もまだ地域に定着できず揺れ動く存在でした。さらに、諸国を移動する芸能民や、山で木材を切って運び出す山の民など、社会を流れ歩く人々も活発に動き回っていました。本書は、漂流する民衆を通して、中世社会が形作られる様子を読み解きます。
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