ブックキュレーター児童文学作家 中島信子
夏にこそ読みたい、生命とは何かを問う物語。
日々の営みが平凡であればあるほど、人は生きることの豊かさを忘れてしまいます。しかし、死を目の当たりにして生きる人間は、生と愛とが融合する瞬間を目撃するのです。その希有なる目撃談を読めば、生きることの真実が見えてくるはず。生命の尊さが何かと話題になる夏に、今だからこそ読みたい物語を集めました。
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「駅の看板がある――アウシュヴィッツだ!」ユダヤ人の心理学者V・E・フランクルが、強制収容所に貨車で到着した際の叫び声。本書はどのページ、どの一文を抜粋しようとも、そこには壮絶な死との闘いが描かれている。しかし同時に、心理学者の冷静な目で、極限に置かれた人間の業と愛を的確に分析している。
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漂泊の俳人・尾崎放哉の最晩年の物語。帝国大学(現東京大学)を出て、銀行員となり、美しい妻をめとりながら、酒癖の悪さから何もかもを失い、ひとり小豆島に流れ着く。貧困と病との闘いは壮絶をきわめ、ページから死臭さえ感じられる。吉村昭の緻密な取材あってこその放哉の生である。
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「歴史は勝者が創る」、その典型が明治維新だとしたら、私は何を学んできたのか。戊辰戦争・第一次・第二次大戦への流れは何に起因するのか。いくつもの疑問を解決してくれたのが本書である。会津の地で散った少年達の哀しみ、二つの大戦で星になった人々の哀しみは同一であり、消去してはならない歴史である。
ブックキュレーター
児童文学作家 中島信子児童文学作家。1947年長野県生まれ。東洋大学短期大学に在学中より、詩人・山本和夫に師事。出版社勤務などを経て児童文学作家として創作活動に入る。主な著作に『薫は少女』『お母さん、わたしをすきですか』『また、風になろね』『さよならは霊界から』など。1999年を境に執筆から遠ざかっていたが、2019年7月に、20年ぶりの長編新作『八月のひかり』を刊行し、話題となる。
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