ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
「はたらく」こと、生きること
「はたらく」という言葉の語源は、「はた(傍)を楽にすること」だとされています。自分が何らかの仕事をすることで、身の周りにいる誰かの負担を軽くし、よりよい環境や関係性を作ることができます。そんなはたらくことの原点としての醍醐味を味わえ、自分とともに生きる人たちに思いをはせることのできる5冊の児童書を紹介します。
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しごとば 正
鈴木 のりたけ(作)
街の中で働く様々な職業の人たちの「しごとば」を描いたシリーズの一作目。新幹線運転士やすし職人、パティシエなど9つの職業が詳細に紹介されていて、何度でも見たくなります。前のページで出てきた人が他のページにも登場するなど遊び心も満載。「あらゆるものはつながっている」という作者のメッセージも感じさせます。
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はちうえはぼくにまかせて
ジーン・ジオン(さく) , マーガレット・ブロイ・グレアム(え) , もり ひさし(やく)
夏休みにどこへも行けない少年トミーは、近所中の植木鉢を預かって世話をするアルバイトを始め、大評判になります。やがて鉢の植物はどんどん大きくなり、家はジャングルのようになってしまい・・・。自分で創意工夫しながら働くことの魅力が、『どろんこハリー』でも有名な作者の繊細なイラストで描かれるロングセラー。
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ルリユールおじさん
いせ ひでこ(作)
大切にしていた植物の本がばらばらになってしまったソフィーは、パリの路地裏にひっそりとたたずむ「ルリユールおじさん」のお店で修理してもらいます。手作りの製本であるルリユールの工程、登場人物の魅力的なやり取り、淡彩による美しいパリの情景描写が印象に残る、大人にも人気の高い絵本。
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ピン・ポン・バス 2版
竹下 文子(作) , 鈴木 まもる(絵)
駅前を出発した一台のバス。学校、病院、大きな木・・・。バスはたくさんの停留所に止まり、そのたびにお客さんを乗り降りさせて山の終点駅まで進みます。ゆったりした雰囲気の中、町の中のさまざまな情景や人々の表情を楽しめる絵本。夕暮れの道を進むバスが描かれた最後のページからは、不思議な安らぎが感じられます。
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うちは精肉店
本橋 成一(写真と文)
大阪府貝塚市にある北出精肉店。江戸時代から7代にわたって牛の肥育、屠畜、精肉を営んできたこの精肉店の、最後の仕事となった2012年の屠畜を写した写真絵本。食べること、働くこと、生きること―。写真家、映画監督としても活躍する著者によるモノクローム写真の数々が、さまざまなメッセージを語りかけます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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