ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
現代の戦争・現代から考える戦争
人と人との争いはなぜ起きるか?善悪はどうやって決まるのか?国家とは?平和とは?―戦争について考えることは、自ずとそれを考える自分自身の生き方や信念について考えることにも結びつきます。自分が生きる「今、ここ」と結びつく新たな視点で戦争を描き、子どものみならず大人にも深い示唆を与える5冊の児童書を紹介します。
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1945年、広島・長崎の原爆投下の練習用として日本各地に落とされた模擬原爆「パンプキン爆弾」。実は全国で400名以上の死者を出した、その爆弾の存在を知ったヒロカは・・・。『若おかみは小学生!』シリーズで有名な著者による、太平洋戦争中の知られざる歴史的事実を描いた意欲作。巻末の「自由研究」も印象的。
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ヒットラーのむすめ 新装版
ジャッキー・フレンチ(作) , さくま ゆみこ(訳)
ある雨の朝、通学バスを待つ間にアンナが始めた「お話ゲーム」は、謎に満ちたヒットラーの娘に関することでした。最初は単なるゲームに過ぎなかったその内容を聞いたマークは、「もし自分がヒットラーの子どもだったら?」と終わりのない自問自答を始めます・・・。ミステリアスで胸を打つ物語を彩る、幻想的な挿絵も魅力。
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弟の戦争
ロバート・ウェストール(作) , 原田 勝(訳)
湾岸戦争が始まった年のある日、心優しい弟のフィギスが突然、「自分はイラクの少年兵だ」と言い始めます。徐々に元の自分に戻れなくなっていく弟を見た兄の「ぼく」は・・・。決して過去の出来事、遠い国の出来事として他人事にできない戦争の不条理さが、ユニークなストーリーテリングの中で緊迫感漂う筆致で描かれます。
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知らなかった、ぼくらの戦争
アーサー・ビナード(著)
アメリカ人詩人アーサー・ビナード氏による、23名の戦争体験者のインタビュー集。元パイロットや一般市民、GHQ事務員などさまざまな人たちの言葉から明らかになる、戦争の知られざる事実に驚かされます。上記パンプキン爆弾の解説も豊富。最終章は2018年4月に亡くなった高畑勲監督の生前の貴重なインタビュー。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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