ブックキュレーター音楽学者 岡田暁生
音楽が好きならこれを読め!
文章を読んだだけで、まったく知らなかった曲のメロディーが頭のなかに響いてくるように感じることがある。また、何度も聴いて細部まで熟知している曲なのに、文章に示された新しい視点が気になって、無性にもう一度聴きたくなることがある。そんな、音楽に対する好奇心を刺激し、自分の可能性を広げてくれるような本を紹介する。
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私の好きな曲
吉田 秀和(著)
「言葉で音楽に誘う」という手練手管にかけて吉田秀和にかなう者はいない。しかも、詩的な文章の背後には、常に透徹した歴史認識がある。私はとりわけ、彼の初期の作品が好きだ。
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音楽史と音楽論
柴田 南雄(著)
作曲家でもあった柴田南雄は、吉田秀和と双璧の昭和音楽批評の雄だ。東大文学部仏文出身の吉田秀和に対して、柴田南雄は東大理学部植物学科の出身。いわば理系音楽批評の極みである。絶版になっているレコード批評集なども思いきりエキサイティングなのだが・・・。
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次々マイナーな曲をとりあげ、その曲についての故事来歴を語りまくり、作品そっちのけで脱線を繰り返し、いつのまにか作品が「逸話」という「文脈」で覆い尽くされてしまう。ところがこれが面白くてやめられない。これぞ実践的脱構築音楽批評の極み。
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三輪眞弘音楽藝術 全思考一九九八−二〇一〇
三輪 眞弘(著)
三輪眞弘は現代日本の最も「とんがった」作曲家だ。作品はもちろん、書いたものもべらぼうに面白く、同時にきわめて先端的な時代批評になっている。とりわけ音楽がもはや、世界中を覆い尽くす電気ネットワーク抜きで成り立たなくなっているという指摘は重い。
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「音楽を聴く」行為は歴史的な転換期を迎えている。インターネットで無料の音楽や情報がいくらでも手に入り、AIが作曲まで始める現代、私たちと音楽の関係はどう変化していくか。さまざまな視点を提示し、未来の音楽を大胆に予想している。
ブックキュレーター
音楽学者 岡田暁生1960年京都生まれ。音楽学者。京都大学人文科学研究所教授。専門は19世紀から20世紀初頭の西洋音楽史。とりわけピアノ音楽とオペラ(リヒャルト・シュトラウス)。8年ほど前からジャズ・ピアノに目覚め、今でも毎月レッスンに通う。おもな著書に『音楽の聴き方』(吉田秀和賞受賞、2010年度新書大賞第3位)、『西洋音楽史』、『オペラの運命』(サントリー学芸賞受賞)(以上、中公新書)、『リヒャルト・シュトラウス』(音楽之友社)、『すごいジャズには理由がある』(共著、アルテスパブリッシング)など。近刊に『音楽と出会う 21世紀的つきあい方』(世界思想社)がある。
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