ブックキュレーター楽工社 営業部 長至巳
パンはどこから来たのか?パンは何ものなのか?パンはどこへ行くのか?
無信仰な人生を歩み続ける僕ですが、幼少のみぎり、旧い実家の大部屋はキリスト教会の伝道所も兼ねていました。そこで定期的に行われた「聖餐式」は、眩暈がするほど深く濃い異文化の匂いで満ちており、ゾクゾクしながら僕は「イエス様の体」の一部分だというパンを頬張っていました。今でもパンを目の前にするとその夜の光景を思い出します。
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肥沃な三日月地帯から始まるという、パンの歴史。「文化の発展にしたがって概念も変わっていく」一方で「ヨーロッパ人にとってパンとはなにかという核心部分は、数千年のあいだ揺らいでいない」と序章で宣言する著者が、食べ物としての側面、文化的メッセージを発信する品としての側面、両含みでパンの通史を掘り下げます。
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日本最高峰のパン職人・志賀勝栄が「第一線で働くパン職人が、パンの歴史をふまえながら、そこに自分の仕事を位置づけ、オリジナルの技術を解説した本」として上梓した中級向け入門書。「小麦粉を考える」の章では、国産小麦を使ったパン作りの理念と現実に絡んだエピソードがみっちり書きこまれており、誠に興味深いです。
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「時間と温度を巧みに操って、穀物の風味を最大限に引き出すことができ、最高の仕上がりになったパン」への大いなる冒険を私たちに促す、本格パン作りのための教科書。アメリカでは30万部も売れた名著の邦訳版なので、一部の専門家のみならず、家庭製パンに本気で取り組みたい方、パン教室を開業したい方にもお奨めです。
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こちらはパンを「食べる人」「愛でる人」の側からの名著。総天然色で、最初から最後まで、パンの恩寵に対する悦びと恍惚とがテンコ盛りです。「いい本なんだけど、東京近辺のパン屋ばかりじゃない?」という一部読者の苦言に対しては、ほどなく『世界ぱんぱかパンの旅』シリーズで彼女なりの全身全霊の回答を提示しました。
ブックキュレーター
楽工社 営業部 長至巳1963年生まれ。出版と書店に関わる仕事を始めて四半世紀を超えました。ちょっと長い無職期間を抜け出し昨春(2017年)より業界復帰、現在は飲食に関わる翻訳書の出版社に勤めております。出身が茨城県で、大学が京都市で、地方出張も多い仕事のおかげで、日本の中で未踏の都道府県は宮崎県のみになりました。好きな作家・山田風太郎。別名で『1985』という小説を上梓したことがあります。あの『1Q84』より10年前に。
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