現代社会で欠かせない教養が新書で学べる！「社会科学」のクラシックな名著

自然科学と同じように人間の社会現象を科学的にとらえることはできるのか、という視点から「社会科学の方法」を語った本です。本書で取り上げられているマルクスとヴェーバーはいかにも古い社会学者と思われるかもしれませんが、今となっては忘れられがちな、社会や経済を考えるうえで欠かせない視点を与えてくれます。

自動車は現代社会に欠かせないものですが、公害や重大な事故などで多大なコストを社会に押しつけているという側面もあります。本書は世界的な経済学者の宇沢弘文が「自動車の社会的費用」を出発点に、みんなの財産である「社会的共通資本」を守り、いかに人間的な社会を作り上げるか、という重いテーマを投げかけた名著です。

私たちが当たり前に思っている社会の見方というのは、本当に当たり前のものなのでしょうか。本書ではマキャヴェリ、ホッブス、アダム・スミス、ルソーといった思想家たちが実はどのようなことを考えて、社会認識の「歩み」を進めたのかを解き明かします。やや難しい内容ですが、社会の見方を根本から教えてくれる一冊です。

『資本論』はもはや過去の遺物と思われているかもしれませんが、ひょっとしたら労働者の権利が社会問題となっている現代こそ必要な本なのかもしれません。本書はマルクス経済学者が、若い読者に向けて書いた『資本論』の入門書。著者の意見に賛成するか反対するかはともかく、考え方自体は知っておくと武器になることでしょう。

経済は複雑でわかりにくいものですが、どのようにすれば「経済を見る眼」を養えるのかをやさしく教えてくれる一冊です。高度経済成長期の1958年に書かれたものなので現代とは語られている状況がまったく違いますが、当時のことを知るとともに、税金のからくりや減税政策など現在でも通じる考え方が学べます。