ブックキュレーター絵本作家・イラストレーター 豊福まきこ
変わる、を絵で読む
ちょっと目線を変えるだけで、今あるものが違うものに見えてくることがあります。逆に、少しずつ変わっているのに気がつかないこともあります。そんなさまざまな「変わる」を感じられる絵本です。読めば、毎日が違って見えるようになるかもしれません。
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よあけ
ユリー・シュルヴィッツ(作・画) , 瀬田 貞二(訳)
これぞ絵本。その一言に尽きます。静かな夜明け前の湖、刻々と変化していく景色。言葉は少なめで、それがいっそう絵の強さを引きだします。そして夜が明け、日が昇る瞬間に生きる力を感じるのです。気持ちがざわついた時に、心をニュートラルに戻してくれる一冊です。
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百年の家
ロベルト・インノチェンティ(絵) , J.パトリック・ルイス(作) , 長田 弘(訳)
定点カメラで一軒の古い家の歴史を見る、そんな絵本です。変わっていく人の暮らし、子どもの成長、戦争、死。小さく描かれた飼い猫や植物にも物語があります。絵はとにかく細かい。描き手の緻密な執念に圧倒されます。 お気に入りは1942年。火は一つも描かれてないのに迫りくる炎が見えます。その迫力に魂をゆさぶられました。
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ないしょのおともだち
ビバリー・ドノフリオ(文) , バーバラ・マクリントック(絵) , 福本 友美子(訳)
同じ家にすむ、人間の女の子と小さなネズミの女の子の秘密の物語。昨今の電子書籍の波の中で、この本は紙の本の良さを強く感じます。真ん中の綴じを生かし、左右のページを見比べて楽しめる作りです。2人は成長して母親になり、そしてそれぞれの子どもがまた・・・。時代が変化しても、変わらないあたたかさがここにあります。
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ベルナルさんのぼうし
いまい あやの(作)
友達がいないくまのベルナルさん。気楽でいいと思っていた気持ちに変化が生まれ、寂しさを感じます。人の考えが変わるときは、決して劇的ではなく、小さな感情が積もり積もって知らぬ間に変わっていくのだと感じます。ユーモアと品のある可愛らしさが絶妙な美しい絵。現代の孤独にやさしく問いかけてくる絵本でもあります。
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おくりもの
豊福 まきこ(作)
小さなハリネズミくんは自分のハリが嫌いです。なぜなら友だちとハグできないし、思う存分遊べないから。けれどあるとき、見方を変えて「ハリのいいところ」を探して行動し始めます。誰もが持っている小さなコンプレックスに向き合う物語。自分が変われば世界が変わるのです。
ブックキュレーター
絵本作家・イラストレーター 豊福まきこ東京都出身。武蔵野美術大学卒。広告代理店でグラフィックデザイナーとして勤務したのち、フリーランスのイラストレーターに転向。新聞、雑誌、書籍の挿絵など幅広く手がける。現在は絵本・児童書を中心に活動中。著書に『わすれもの』『おどりたいの』(ともにBL出版)がある。
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