異なるラスト、どっちがお好み？映画ファンも新たな気持ちで楽しめる原作小説

ある日、街中を真っ白な濃霧が覆い、人々は混乱の渦に突き落とされます。霧の中には、得体のしれぬ恐ろしい化物が潜んでいて・・・。恐怖とパニックを描いたスティーヴン・キングの中編小説「霧」の映画版では、原作とは違うオリジナルのラストが描かれました。観客を絶望に陥れた映画版の結末は、キングも称賛したそうです。

美術史と象徴学が専門のラングドン教授と女性医師のシエナが、天才生化学者の開発した病原菌の蔓延を阻止するため奔走する推理小説です。カギを握るのはダンテの長編叙事詩『神曲～地獄篇（インフェルノ）』。映画公開時、登場人物の設定やテーマ自体を変えるラストには、原作ファンから疑問の声も挙がっていました。

白血病の姉・ケイトの腎臓移植ドナーとなるため、遺伝子操作を経て誕生した妹のアナ。13歳になった彼女は姉への腎臓提供を拒み、ついには両親と法廷で争うことになるのですが・・・。最終的にはハッピーエンドだった映画と違い原作はかなり重く、生命倫理について読者に深く考えさせる結末になっています。

第二次世界大戦下のニューヨークで、自由に生きる可憐な女性を描いた中編小説の傑作です。映画は、オードリー・ヘプバーンのキュートさが全開な名作ですが、原作と映画ではヒロインのイメージが大きく異なり、ラストの選択もある意味真逆と言えます。映画と小説、どちらのヒロインがお好みか、ぜひ比べてみてください。

網元として君臨する鬼頭家の、本家と分家が反目し合う瀬戸内海の小島・獄門島。島に降り立った金田一耕助の目の前で、恐ろしい殺人事件が・・・。本書は映画化より先にドラマ化されたため、犯人の正体が広く知られた状態でした。そこでドラマや原作ファンにも楽しんでもらうよう、映画では異なる人物を犯人にしたそうです。