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欲望と裏切り渦巻く「アイリッシュマン」とアメリカ組織犯罪の素顔に迫る本
1975年夏。全米トラック運転手組合の大物ジミー・ホッファの失踪事件は、アメリカ最大の未解決事件の一つと言われています。マフィアの関与が疑われたこの事件は「アイリッシュマン」と呼ばれる殺し屋シーランが殺害を告白したことから、再び注目されるようになりました。ここでは、シーランとマフィアの実像に迫る本を紹介します。
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アイリッシュマン 上
チャールズ・ブラント(著) , 高橋 知子(訳)
「アイリッシュマン」ことフランク・シーランの告白を、元検事の著者が長年の聞き取りをもとにまとめた伝記です。戦争帰りのシーランは、マフィアのボスであるブファリーノに気に入られ、その紹介でホッファの労組幹部に抜擢。少しずつ裏社会の深みにはまっていき・・・。20世紀後半のアメリカがリアルに描かれた一冊です。
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ゴッドファーザー 上
マリオ・プーヅォ(著) , 一ノ瀬 直二(訳)
アメリカマフィアの内情を暴露した犯罪小説の古典。実在したニューヨークの5大ファミリーをモデルに、イタリア移民ヴィトー・コルレオーネ率いる架空のマフィア一家の歴史が描かれます。のちに映画化され、マーロン・ブランドが見せたヴィトー役の迫真の演技は、シーランによればブファリーノにそっくりだったそうです。
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マフィア帝国ハバナの夜 ランスキー・カストロ・ケネディの時代
T.J.イングリッシュ(著) , 伊藤 孝(訳)
1950年代。アメリカマフィアはキューバでカジノホテルをはじめ、さまざまな事業を展開していました。ケネディ大統領当選にも協力したマフィアは、莫大な見返りを期待していたものの裏切られ、両者の関係は悪化していき・・・。本書は、マフィア帝国ハバナの興亡とケネディの関係を明らかにするノンフィクションです。
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ケネディ兄弟の光と影
土田 宏(著)
ケネディ大統領の弟であるロバートを中心に、兄弟の後半生を描いた伝記です。1961年、司法長官に就任したロバートは、マフィアとの癒着が疑われていたジミー・ホッファを最大の標的とし、組織犯罪の撲滅に乗り出すが・・・。『アイリッシュマン』と併読することで、アメリカ社会の裏表を知ることができる一冊です。
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5大ファミリーの一つ、コロンボファミリーの元幹部が記した異色の仕事術のノウハウ本です。人を裏切らず、黙々とハードな仕事をこなす著者の生き方は『アイリッシュマン』のシーランを彷彿とさせます。ちなみに、マーティン・スコセッシ監督作『グッドフェローズ』には、著者をモデルにした役が登場することも一部では有名です。
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