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日本語による散文表現の臨界点へと迫るすごみ。古井由吉を知る本
1968年のデビュー以来、約半世紀にわたって日本文学をリードし続けてきた古井由吉(1937-2020)。日本語による散文表現の可能性を追求し、その臨界点に迫らんとした作品群は、平野啓一郎、又吉直樹ら、多くの現役作家に影響を与えています。ここでは小説から対談集まで、はじめての読者にも彼の魅力を堪能できる本を集めました。
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初期のふたつの中編を収録。芥川賞受賞作の「杳子」は、社会にも自分自身にも馴染めずに不可解な言動をくりかえす杳子と、彼女に献身的に寄り添う「彼」、2人の大学生を描いた恋愛小説です。杳子の不安定な精神をなぞるような文章を追ううちに、読者の正常と異常の境、そして現実の自明性もまた揺らぎ始めるでしょう。
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日本現代文学を代表する、同世代作家同士の対談集です。話題は日本近現代の短編小説から海外詩、小説の未来までと幅広く、何より2人の半世紀に及ぶ実作者としての文学観、そして老年に至ってもなお貪欲に学び続けるエネルギーに圧倒されます。『古井さんの小説は明快で難解だ』と語る大江健三郎の古井論も読みどころです。
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