ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
ここではないどこかへ―「旅する心」を描いた児童書
「なぜ、理由なく旅に出てはいけないのですか?」劇作家の平田オリザ氏は、あまりにしつこく「旅する理由」を問いかけてくる人たちに、そう答えていたということです。大体楽しい時より困る時のほうが多い、疲れる、トラブルも起こる。でもやっぱり、また旅に出たくなる・・・。そんな不思議な「旅する心」を魅力的に描いた5冊を紹介します。
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ぼくのたび
みやこし あきこ(作)
小さなホテルを経営する「ぼく」は、世界中からの客をもてなす日々を送っています。でもいつか、「ぼく」自身もふわりとどこかへ―。近年世界的に活躍している気鋭の絵本作家によるリトグラフが印象的。主人公が実際に「どこか遠く」へ行くわけでなくとも、読んでいるうちに旅への衝動が喚起されてくる不思議な一冊です。
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とうさんとぼくと風のたび
小林 豊(作 絵)
風の吹いてくるところへ向かって旅に出た、父さんとぼく。街道やとある宿場町、山道、どこかの大きな街を抜けて海へ。しかしその風景や途中で出会う人たちは、もしかしたら時の彼方からやって来たのかも・・・?時代や場所も不特定でありながら、不思議な懐かしさを感じさせる情景の数々が描かれた珠玉の一冊。
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旅するウサギ
竹下 文子(作) , 大庭 賢哉(絵)
「こんどはどんな旅になるだろう。どんなことに出会えるだろう。」主人公の「旅するウサギ」が巡るさまざまな場所や、人たちとの出会いを印象的に描いた短編集。一話一話が日記のようでシンプルな文体、構成でありながら、「日々旅に出て旅をすみかとする」ものの心情を見事に表しています。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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