ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
いい意味で年を取ったなあと感じるセレクト
さすがにアラフィフともなると、もうただの中年というより初老の入口が見えているな、と感じるところです。自分では若いつもりでいますが、目が悪くなったり酒が弱くなったり肉が重力に逆らえなくなったりしてきます先日も昔読んだ「ガンツ」を一気読みしたところ翌日目の調子がおかしくなりました。昔は50巻一気読みなんて全然へっちゃらだったのに・・・そんなわけで、年齢を重ねた今、選んだ最近の五冊。
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仲よしの飲み仲間で大学の後輩でもあるコラムニスト・中川淳一郎の最新作です。彼は四十代後半の年齢、さらに呑み助にしては無駄肉がなくお腹も出ていないすっきりした体型を維持しています。あれってこういう自炊をしているからなのかなと思いました。いい感じの手の抜き方を指南してあります。
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益田ミリさんの「沢村さんち」シリーズ。定年退職したお父さんとお母さん、そして独身四十路の娘、三人家族のなんということはない日常。こういう漫画、若い頃は読まなかっただろうなと思いますが今は大好き。刺激的なことは特にない、本当になんてことない日々なんだけど、そこに癒されます。
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中崎タツヤ先生の「身から出た鯖」第七作目。変わらない中崎節だと思われる方もいるかもしれませんが、私は違います。なにしろ私、三十年近く前から中崎先生の作品ファンで初期から暗記するほど読み込んでいるので、「身鯖」の変化をしみじみ感じることとなりました。やっぱり当然ですが初期の頃の「身鯖」は若々しく躍動感に満ちています。対してこの「七番出汁」は成熟した中崎先生の達観、老練を味わう作品となっています。作者と共に歳を重ねることの面白さを知ることっとなりました。
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これ、いただいた本なんですが、一気読みしてしまいました。死期が迫った患者に病院ではなく自宅で過ごしてもらうため、患者の自宅に診療しにいき最期を看取る・・・在宅医療の医師・小笠原先生が様々な患者の最期を記録したノンフィクションです。「死」なのに、なんという明るさ、清々しさ!「めでたい」という言葉がしっくりくるほど、患者さん、ご家族の悔いのない様子が伝わってきます。私余命いくばくも亡くなったら是非、こういう暮らしをしたい!まだまだなじみの薄い在宅医療を知る、理想的な「具体例」の本です。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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