ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
物語が生まれる場所・・・家
家族が安心して住める場所。一人で気兼ねなく過ごせる場所。「ただいま」と言える場所―。考えてみれば人によって多様なイメージがある、「家」という場所を舞台にした5冊の児童書です。「ステイ・ホーム」が叫ばれる現在、これらの本をひも解いて、もう一度自分にとっての「家」という場所を見つめてみませんか?
- 6
- お気に入り
- 970
- 閲覧数
-
ピーターのいす 改訂
エズラ=ジャック=キーツ(作・画) , 木島 始(訳)
妹が生まれたピーター。妹はかわいいけど、お父さんもお母さんも妹にかかりっきり。自分が使っていた物も妹のためにピンク色に塗られてしまい、ピーターは小さなイスを持って家出することに・・・。新たな家族がもたらすもの、ふとした瞬間に垣間見える子どもの成長を繊細に描き、世代をこえて共感を呼びます。
-
はじめてのおるすばん
しみず みちを(作) , 山本 まつ子(絵)
初めて一人で留守番をすることになった、3歳のみほちゃん。「できるよ、くまちゃんといっしょだもん」と言ったものの、いざ玄関のチャイムが鳴るとやっぱり不安・・・。一人の時間を経験する少女の心理が、繊細なイラストで絶妙に表現されています。新聞受けから覗く集金屋さんの「目」の場面は、けっこう怖い!
-
きょうはなんのひ?
瀬田 貞二(作) , 林 明子(絵)
学校に行く前にまみこが言った謎のメッセージを聞いたお母さん。その通りに家の中を歩いていくつかの「手紙」をたどり、最後に目にしたメッセージとは・・・。何気ない日常の中でもつくれる幸福な瞬間を描いたロングセラー。家の中でも温かな物語が日々生まれ得ることを思い出させてくれる一冊です。
-
中学2年生の拓真は、ひょんなことから亡き祖母との思い出の古民家を「地域の憩いの場」としてよみがえらせることになり、仲間たちとともに奔走します。クラウド・ファンディングのシステムを使って目標を達成させようとする中学生たちを描いた異色の物語。「家」という場所が持つ温かさも描かれ、読後感非常に爽やか。
-
数ヵ月前、「母の理想の新しい家」に引っ越してきた小学5年生の「わたし」。英会話塾が休講になった日、ふと見知らぬ路地に迷いこんだわたしは、不思議な物語を朗読するおばあさんの住む家にたどり着きますが・・・。時をこえた不思議な出会いを経験した少女の心情や、「ありふれた家庭」の中に漂う空気感の描写が秀逸。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です