ブックキュレーターhonto編集員
人間の分かちがたきパートナー。人と動物との関わりを再考するための本
社会の多様性を考える機会の多い昨今ですが、動物もまた人間同様に社会を構成する重要な仲間です。「動物の権利」というと偽善的に感じる場合もあるかもしれません。しかし、そんなイメージを乗り越え、動物について再考すべき時期に差し掛かっています。その足掛かりとして、人間と動物のかかわりを見直すための本を紹介します。
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「生きた動物が、食肉になるまで」を巡るため、世界の屠畜現場を訪ね歩いた著者によるルポルタージュ。生きた動物たちが、食卓に並ぶ「食肉」になるまでの過程を、あっけらかんと明るく解説します。「食べるために動物を殺すことは、かわいそうなのか?」というタブー視されがちな問題に、正面から向き合った一冊です。
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ぼくらはそれでも肉を食う 人と動物の奇妙な関係
ハロルド・ハーツォグ(著) , 山形 浩生(訳) , 守岡 桜(訳) , 森本 正史(訳)
ある動物はペットとしてかわいがり、ある動物は家畜や実験体として扱う。また、ある動物は食用に。そんな人間の動物に対する複雑な振る舞いを、「人類動物学」の視点からとらえた本です。「実験用マウスは殺していいのか?」などの道徳的問題を冷静に分析する本書は、アニマルライツについて考えるきっかけになるでしょう。
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挫折を味わった勉強一辺倒の学生が、北海道の農業高校に入学したことを機に、家畜や仲間に支えられながら「生きていく力」を育む酪農青春ストーリーです。いずれ食肉になる仔豚にあえて名前をつけてかわいがることに、割り切れない思いを抱える主人公の八軒。酪農の厳しい現実と真摯に向き合う姿に、命の大切さを教わります。
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魚だって考える キンギョの好奇心、ハゼの空間認知
吉田 将之(著)
生物心理学的なアプローチで「魚が何かを考える仕組み」を研究する著者による一冊。魚も個体ごとに顔が違うことや、人間と同じように好奇心を持っていて、怖がったりワクワクしたりするということを、さまざまなテストを通して実証していきます。読み進めていくうちに、少しずつ声なき魚の考え方や心が見えてきます。
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純血種という病 商品化される犬とペット産業の暗い歴史
マイケル・ブランドー(著) , 夏目 大(訳)
雑種よりも血統書付の純血種が優れているとする傾向が、不幸な犬を増やしているというのが本書の主張。さらに、ボーダーコリーの約半数が異様に音を怖がる精神疾患を抱えていることは、不自然に種を繁殖させた弊害だと指摘します。犬に与える不利益に目をつぶって、生き物をカタログの商品として扱うペット業界に警鐘を鳴らした一冊です。
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