ブックキュレーターCCCメディアハウス 大渕薫子
人間関係に悩んだら読んでほしい・・・人の多面性をユーモラスに描き出す本たち
誰でも1つや2つはある「人間関係」の悩み。目の前の問題で深刻に煮詰まりすぎてしまう前に、本を通して「関係」を俯瞰から見つめ直したり、多角的に「相手」を見ることで、少し気持ちが楽になることもあるのでは?今回はユーモラスに「人間の多面性」を描き出し、「人間関係」に対する私の視野を広げてくれた5冊をご紹介します。
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阿修羅のごとく
向田 邦子(原作) , 中野 玲子(ノベライズ)
70代の父に愛人がいることが発覚した4姉妹の物語。家族でも、恋人でも、どんなに身近で大切な人でも、自分には見せたことのない顔がある。それは一見寂しいことのようだけど、だからこそ、その人の一端でも、欠片でも、分かちあえた瞬間を大切にしたくなる。
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人間関係は煩わしくて面倒くさい。だけど人間関係からしか得ることのできない満足感もある。可愛いイラストに共感できる一言を添えた韓国エッセイ。『「オトナ」になるっていうのは、他人の立体的な姿を発見して受け入れていくこと。』半径5mの人間関係の見え方が変わる1冊。
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さまざまな読者からの相談に対して、写真家の幡野さんが、フラットな目線で答えていくお悩み相談。世間的な常識や、「こうあるべき」という縛りに凝り固まった考え方をほぐしてくれる本。人間関係の悩みは大概相手のことがわからなくて悩むけれど、本当は自分のことが一番よくわかっていないのかもしれない。
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ただそこに生きる人、そこにあるだけのもの。社会学者の岸政彦さんが、物語にもならない小さな出来事や違和感を描写するエッセイ。本、テレビ、ネット。私たちはたくさんの編集された物語に囲まれているけれど、人間関係の実態はこういう名前のないものの集積なのだろう。目のフィルターがポロっと1枚はずれる感覚。
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リベリアのスラム、ロシアのカルト教、ケニアのゴミ山。著者が現地に乗り込み、食を入り口に生きることの根本を問うノンフィクション。環境も仕事も、信仰も肌の色も違うけれど、それぞれに守りたいものがあり、幸福があり、絶望もある。地球の裏側に暮らす他人にでさえ、私たちは深く共感できるということを教えてくれる。
ブックキュレーター
CCCメディアハウス 大渕薫子出版社CCCメディアハウスの編集者。実用書やエッセイ、海外翻訳書、写真集などをつくっています。好きなものは、猫、本、睡眠。寒い時期は暖かい部屋で本を読みながらうとうとして、猫と一緒に寝落ちする瞬間が至福ですね。これまでに担当した書籍は『「考えた人すごいわ」を考えたすごい人』『TODAY IS A NEW DAY!ニューヨークで見つけた「1歩踏み出す力をくれる」365日の言葉』『怠けてるのではなく、充電中です。』など。(http://books.cccmh.co.jp/)
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