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魅力あふれる少女たちの緻密な心理描写が秀逸。桜庭一樹の世界へようこそ
成長途中の少女たちの心理を、ときに美しく、ときに物悲しく、ときに切なく描き切る文章に定評がある小説家・桜庭一樹。作中で描かれる世界観は独特でありながらリアリティもあり、読後にはいたたまれない気持ちになってしまうことも。ここでは、そんな著者が手掛けた「少女が大人に変貌をする瞬間」が描かれた小説を紹介します。
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引きこもりの兄を持ち、中学生ながらに「自分がしっかりしなければ」と考える山田なぎさと、彼女の学校に転校してきた海野藻屑。本書は、そんな2人が織りなす青春小説です。実父から虐待を受けている藻屑の言動からは、虐待を愛情表現と思うことで耐え抜こうとする考えが読み取れ、何とも痛ましい気持ちになります。
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川村七竈は、目を奪うほどの美しさと薄幸な空気感を併せ持つ高校生。親友・雪風との間で繰り広げられる会話は、思春期特有の寂寥感とリアリティがあり引き付けられます。一見すると美男美女の両者ですが、その関係性には秘密があり・・・。楽しい気持ちで読み進めていた人ほど、終盤の掛け合いには胸がつまるはずです。
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主人公の久城一弥は、日本からヨーロッパの小国に留学してきた男の子。そこで出会った少女ヴィクトリカとともにさまざまな事件に遭遇しては、協力し合って解決していくのですが、やがて2人の関係は友情とも恋ともつかない結びつきになっていき・・・。少年少女の心の揺れ動きを巧みに描いた秀作です。
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